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【農林水産省】新大臣に副大臣経験者〝農政通〟の小里氏

財界オンライン / 2024年10月30日 11時30分

農林水産省の坂本哲志大臣(当時)は10月1日の会見で、今年夏から9月に起きた米不足の際、政府備蓄米を放出しなかったことについて、「決断に誤りはなく、適切だった」と述べた。

 首都圏では手に入りにくい時期が1カ月ほど続き、一部の専門家などから、政府備蓄米を放出するべきだったとの声が出ていた。

 昨年の猛暑などで今年7月から品薄感が高まった。追い打ちを掛けたのが、8月8日の南海トラフ地震の臨時情報で、米の買いだめが発生して、お盆ごろからスーパーの米売場から商品がなくなった。

 ただ、九州などの早場米が出回り始めていたため、農水省は9月上旬に品薄感は解消すると見ていたが、結果的に9月20日ごろまでかかった。

 政府は非常時に備え、年間需要の7分の1程度の100万トン規模の備蓄米を持っている。今夏、米価が前年から1~2割も値上がったこともあり、価格を抑える意味でも政府備蓄米の放出を求める声も出た。

 会見で坂本大臣は米不足が本格化した時期が8月~9月だったことを挙げ、「備蓄米の放出には2~3週間がかかる。卸売業者が全力で確保し、小売店に流してもらうことを私自身が決断した」と説明。さらに、放出した場合、昨年の米と備蓄米、24年産の新米が折り重なってだぶつく可能性を指摘し、「(価格が下がるなどの)混乱を与えていたのでは」と述べた。

 石破内閣の発足に伴い、昨年12月に就任した坂本大臣は退任。新しい農水相は、鹿児島3区(阿久根市、薩摩川内市など)選出の小里(おざと)泰弘・衆院議員で、岸田内閣では首相補佐官を務めた。農水副大臣や自民党農林部会長の経験もある農政通だ。

ニッセイ基礎研究所 チーフエコノミスト・矢嶋康次の提言「岸田政権が残した光と影」

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