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通信大手3社が〝楽天包囲網〟 対抗プランの投入相次ぐ

財界オンライン / 2024年11月7日 15時0分

楽天は損益分岐点の目安となる800万回線を突破したものの、財務の不安はまだ払しょくされていない(写真は今年3月の講演)

通信大手3社が〝楽天包囲網〟を構築─―。

 NTTドコモは10月1日、申し込み手続きをオンラインで受け付ける格安通信プラン「アハモ」の月間データ通信量を従来の20ギガバイト(ギガは10億)から30ギガバイトに引き上げた。月額料金は2970円のままで、事実上の値下げとなる。

 するとKDDIは10月17日、携帯通信のサブブランド「UQモバイル」の新料金「コミコミプラン+(プラス)」を11月12日に始めると発表。月3278円で30ギガバイトのデータ容量と、1回10分以内の国内通話かけ放題をセットにした。

 さらにソフトバンクも10月25日、オンライン契約専用「ラインモ」で、月間データ量20ギガバイトのプランの料金を2970円に据え置いた上で、11月から30ギガバイトまで利用可能にすると発表した。

 大手3社が実質値下げで足並みを揃えた背景には、楽天モバイルの存在がある。

 同社が展開する「楽天最強プラン」はデータ容量無制限で3278円。10月18日に契約数が損益分岐点の一応の目安とされる800万回線を突破。700万回線を超えたのは6月で、スマートフォン普及率が頭打ちとされる中、4カ月で100万回線を上積みしたことになる。

 楽天グループの24年1-6月期決算では、最終損益が759億円の赤字だったが、赤字幅は前年同期(1399億円の赤字)から大幅に縮小した。

 従来「長時間、動画をスマホで視聴する学生などからの支持が厚い」(業界関係者)との評価があったとは言え、ここまで楽天の急激な勢力拡大を想像する向きは少なかった。ソフトバンクの宮川潤一社長は楽天に対し「脅威だ。どこから、そういう純増が湧いて出ているのか」と驚きを隠さない。

 今後の焦点は大手3社の警戒感が強まる中で、楽天モバイルが通信品質を高めて勢いを維持できるかだ。

 後発の同社は、通信設備整備の遅れが指摘されてきた。6月からは携帯電話の電波がつながりやすい周波数帯「プラチナバンド」を活用したサービスを始めたものの、普及は道半ば。営業赤字続きで財務の懸念も払拭されていない中、地道な投資を続けられるかが試される。

中西勝也・三菱商事社長「これまで培ってきた多様性や総合力を掛け合わせ、 共創価値の創出を!」

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