若手ベンチャーが提唱する「感謝」の教育が、未来を創る
財界オンライン / 2024年11月11日 10時52分
現代社会が抱える課題と新たな教育への挑戦
少子化や多様化が進む現代社会において、若者を取り巻く環境は大きく変化している。いじめや不登校といった問題が深刻化する中、若者たちの心の豊かさを育み、社会の一員として健やかに成長していくための教育が求められている。
そんな中、株式会社Pietyが開催している「Thanks Workshop」が注目を集めている。このワークショップは、従来の教育に「感謝」という要素を強く取り入れることで、生徒たちの心の成長を促し、より良い社会の実現を目指している。
10月2日、明石の青楓館高等学院にて開催された「Thanks Workshop」では、生徒たちは4人1組のグループに分かれ、「誰に感謝を伝えたいか」をテーマに話し合いを行った。家族や兄弟への感謝はもちろん、普段感謝を伝えづらい人やモノ、例えば普段いつも利用しているファストフード店や、大事にしている自分のぬいぐるみなど、ユニークな意見も飛び出した。
「感謝」が育む、豊かな人間関係と社会
この「Thanks Workshop」は、生徒たちが周囲の人々へ感謝の気持ちを伝えることで、自己理解を深め、他者との良好な関係を築き、ソーシャルスキルの向上を目指す革新的なプログラムになっている。
今の若者たちを取り巻く社会的な背景として、
① いじめの増加
年々増えていく「いじめ」の数は、外国人児童の増加も大きく影響しており、現代において最も取り組むべき問題のひとつ。孤独孤立対策推進法が施行されたことからも、他者を尊重し、思いやるというソーシャルスキルの向上が求められている。
② 不登校生徒数の増加
多様化・複雑化する社会の中で、友人や家族などとの人間関係の問題が大きな背景の一つに。良好な人間関係を形成する能力の向上が求められている。
③ 柔軟に変化する力を求められる社会背景
「正解を求める時代」から「正解を創る時代」に変わりつつある現代では、自分で答えを創る創造力や自分の「やりたい」に向き合い果敢に挑戦していく挑戦力を養わなければならない時代である。
このプログラムのグループワークを通じて、普段なかなか口に出せない感謝の気持ちを言葉にし、共有することで、生徒たちはこれらの背景に対峙しながら、多様性に気づき、受け入れる力を醸成させることができる。
さらに、コミュニケーション能力の向上から、良好な人間関係を形成する力を養い、「人間関係」をポジティブに捉えられる。
そして、自分の考えや気持ちを言葉にすることで、自己肯定感の向上と変化を楽しむ力も醸成される。
「感謝」が育む、未来のリーダー像
「Thanks Workshop」で育まれる「感謝」の心は、単なるマナーにとどまらない。それは、将来、社会で活躍する上で不可欠なコミュニケーション能力や他社理解能力、問題解決能力などを養うことにつながる。これらの能力は、経済産業省が提唱する『未来人材ビジョン』においても、重要な要素として挙げられている。
Thanks Workshopを主催する株式会社Pietyは、感謝を伝えるショートムービーギフト「テレチャウ」を運営しており、「誰もが気軽に大切な人へ『ありがとう』と伝えられる社会の実現」を目指している。また、今月11/1には、星野リゾートBEB5軽井沢と協業し、2025年1月6日から3月31日までの間、旅行プラン「BEBの綴る卒旅」にてサービスを提供することを発表した。
同社代表取締役の加治木基洋氏は、
「過去行った”人生の後悔”の調査で最も多かったのは、『大切な人へ、もっと感謝の気持ちを伝えておけば良かった』という声でした。そして、その大きな要因は 『感謝を伝えるのが恥ずかしい』という個人の心理的ハードルにあると考えています。
このハードルを乗り越えるには、個人が所属する身近な環境、特に教育の現場が「感謝を伝えること」 を大切にする。そんな環境であることが大切だと考えています。
今後も様々な学校でコラボレーションしていけたらと思っています」と語った。
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