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ニトリHD会長・似鳥昭雄が語る「店づくり、人づくり、商品づくり」

財界オンライン / 2024年12月2日 7時0分

似鳥昭雄・ニトリホールディングス会長

仕事で一番大事なことは 自分が成長すること!


 ー 似鳥さんが1967年12月に似鳥家具店を創業してから57年になります。今ではイケア(スウェーデン)に次いで、世界2位の家具・インテリアチェーンに成長したわけですが、ここまで成長することができた要因は何だと考えますか。

 似鳥 やはり、ロマン、ビジョン、意欲、執念、好奇心を持ち続けていけば、誰でも成功できると思います。

 わたしは1972年に米国で目の当たりにした光景に、驚嘆し、大きな感銘を受けました。シアーズやJCペニーを見て、日本は米国から50~60年遅れているなと。日本人の住まいを豊かにし、欧米並みの生活ができるように、追いつき、追い越せで60年計画を立てました。

第一生命経済研究所 首席エコノミスト・熊野英生の見方「石破茂首相の経済政策」

 帰国してすぐに3店舗目となる麻生店(北海道)を建てまして、当時の年商はまだ1億6千万円だったのですが、わたしは最初の30年で100店舗・1千億円、次の30年で3千店舗・3兆円という30年間計画を立てました。

 当時、わたしはまだ28歳です。60年が経てば88歳ですから、我ながらよくもそんなことを考えたなと思いますが、そういう話をしたら、社員は「社長は気が狂ったのではないか」と言って、皆辞めてしまいました。

 ー あまりにも途方もない目標に映ったんですね。

 似鳥 そうでしょうね。でも、店づくり、人づくり、商品づくりを進め、最初の10年で10店舗・50億円を達成しました。

 ー 目標を立ててからは順調にいったということですね。

 似鳥 いえ、途中、スカウトした営業部長が問屋から給料の何倍かにあたる賄賂をもらって、売価を高くして、当社の売上が悪くなったことがありました。それで社員に飲ませ、食わせしていたので、全員辞めてもらったことがありました。

 当時、従業員は20人ぐらいだったと思いますが、家内と妹、あとはわたしがスカウトしてきた2人だけが残って、5人で再出発したのです。すると、売上は多少下がりましたが、人件費がかなり圧縮されたので、一気に利益が出るようになりました。

 だから、やりようによってはやれるもんだなと、その時思いましたね。

 ー いま、グループの従業員はどれくらいになりますか。

 似鳥 パートさんも含めると約5万6千人です。毎年4千~5千人くらい増えています。

 ー その中で、似鳥さんから見ていて、伸びる人材は、どういう人ですか。

 似鳥 やはり積極性が一番大切です。そして、素直で明るく、未来に目標を持って計画を立てて実行する人ですね。

 わたしは1年間サラリーマンをやりましたが、今日1日をどうやって過ごすかだけで、明日のことは考えていません。だから、よく給料泥棒と言われましたよ(笑)。いまの当社には給料泥棒はいませんがね。

 とにかく、仕事で一番大事なことは自分が成長することです。会社のためでなくていい、社長や上司のためにやらなくていい。自分の成長のために当社を利用し、技術を習得して、他社からスカウトされる人間になってほしいと思っています。

続きは本誌で

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