ソニーとNECが顔認証で連携 得意技を持ちより新技術開発

写真はイメージ

お互いの得意技を組み合わせることで新たな事業分野を開拓へ――。

「社会の人々が、両社の生体認証・画像技術を最大限に活用できるモデルの創造を目指す」と語るのは、NEC Corporate SVP兼製造ソリューション事業部門長の清水一寿氏。

　ソニーグループとNEC（森田隆之社長）が協業し、顔認証技術の活用領域を拡大することになった。ソニーセミコンダクタソリューションズのイメージセンサーとNECの顔認証技術を組み合わせることで、新たな顔認証ソリューションを共同開発する。

　具体的には、今回、両社が有する最先端技術を組み合わせることで、これまで難しいとされていた逆光などの環境下でも高い精度を維持することができる。また、カメラにはAI（人工知能）技術を活用し、なりすまし対策機能も搭載。これにより、プライバシーやセキュリティーに対するユーザーの高い要求にも応えられるとしている。

　両社は2022年から物流領域における協業を進めてきた。今回の協業によって、オフィスや物流施設での入退管理・セキュリティー用途を軸に、今後はリテール分野やモビリティ分野での活用を目指していく。

　ソニーセミコンダクタソリューションズでシステムソリューション事業部事業部長の柳沢英太氏は「NECが有する、革新的な生体認証技術やシステム開発・導入に必要な技術およびノウハウと、弊社のエッジAIセンシング技術を融合させ、両社で社会課題の解決に挑戦できることを大変喜ばしく思う」とコメントしている。

　近年、日本でも”闇バイト”による強盗被害が相次いでおり、警備会社関係者は「非常に荒っぽい事件が多く、人々の体感治安は悪化している。当社へもセキュリティーに関する問い合わせは増えている」と語る。

　社会の安心・安全をいかに守っていくか。企業の得意技を生かして課題解決に取り組む事例は今後も増えそうだ。

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