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【2025年をどう占いますか?】答える人 国際社会経済研究所理事長・藤沢久美

財界オンライン / 2025年1月8日 11時30分

藤沢久美・国際社会経済研究所理事長

リーダーの器や経営者の人格が試される時代に

 ─ NEC系のシンクタンクのトップとして25年の世界経済をどう占いますか。

 藤沢 米国ではトランプ大統領が復活しますが、やはり、不透明感が増したと思います。世界の秩序が変わってきて、お互いに誰が信じられる相手なのかということを探り続けていて、今後は信頼できる仲間と一緒に経済活動をやっていこう、ということになるのだと思います。

 ただ、日本にいると、米国は中国と対立しているから中国に近づくのはよそうという思考になりがちですが、欧州の動きを見ていると、決して中国排除一辺倒ではなく、しっかりと手を組むところはしっかりビジネスを行っていますよね。

 ですから、日本もそろそろ米国を通したモノの見方しかしないのではなく、日本はどういう立ち位置で、どう行動していくのかということを考えない限り、世界から置いてきぼりになったり、孤立していったりするだけではないかと懸念しています。

 ─ 米国に依存するのではなく、日本はどうするのか? これは本質的な問題ですね。

 藤沢 ええ。これまで、わたしたちはもう戦争はないと思っていましたけど、日本の近くで戦争が起こるかもしれないような状況の中で、経営者は戦略を考えなければならない。社員をどう守るのか、災害時のサプライチェーン(供給網)をどうするかとか、非常にリスクが多様化している中で、経営者にとっては大変難しい時代になったのだと感じています。

 ─ 経営者の覚悟や使命が問われる時代になったと。

 藤沢 本当におっしゃるとおりで、経営者の覚悟と使命が今まで以上に問われていると思いますし、今はAI(人工知能)の進化のスピードがあまりにも速いですよね。先日ロボットの学会に参加したのですが、この時、ある哲学者の方と議論をさせてもらいました。

 人間に代わる人型ロボットを開発するということは、人間に対して冒涜にならないのか? 人間自体がどんどんロボットに阻害されていったり、人間の精神が侵害されていって、人間が人間でなくなってくるんじゃないか? というような議論をしました。そうすると、社会とは何か? 地球とは何か? という次元を超えて、人間とは何か? ということを、経営者も考えなければならない。

 一時、リベラルアーツ(教養)が必要だと言われた時期がありましたけど、これから我が社の技術をどうつくるのか? 組織をどうつくるのか? を考えるという意味では、リーダーの器や経営者の人格が試される時代になるのだと思います。

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