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【2025年の景気・株価、国際情勢をにらんで 経済リーダー36人が白熱議論】東映社長・吉村文雄

財界オンライン / 2025年1月16日 9時0分

吉村文雄・東映社長

海外での企画・製作に向け
社内の意識が変化

 ─ アニメ産業も日本を代表する産業になりました。東映社長の吉村文雄さん、映像を中心とするエンタテインメントを手掛ける会社として25年をどう見通しますか。

 吉村 社長就任から1年が経ちましたが、元社長(手塚治氏)の遺志を継ぎ、海外向けの作品を企画・制作するべく布石を打ってきました。

 例えば24年には当社のプロデューサーが韓国で開催されたアジア最大級のジャンル映画祭の併設企画マーケットで企画ピッチングを行い、台湾の独立行政法人が提供する賞を受賞しました。これを受けて台湾・日本共同製作の映画の企画が進んでいます。少しずつですが、海外に向けて従業員の意識も変わってきています。

 また、真田広之さんが主演・プロデューサーを務めた『SHOGUN 将軍』がエミー賞で史上最多の18部門を受賞しました。セリフの7~8割が日本語であるこの作品が、米国で受け入れられたことに時代の変化を感じつつ、海外でも日本のオリジナリティを受け入れる素地が出来てきたことを実感しました。

 ─ インバウンドが増加する中、文化面でも日本への関心が高まっていますね。

 吉村 当社グループが展開する「東映太秦映画村」は、28年頃に全面リニューアルを予定しているのですが、従来よりインバウンドの比率を高めていこうと考えています。

 こうした取り組みの一環として、24年11月の紅葉の時期に「太秦江戸酒場」という夜間イベントを開催しましたが、夜の灯りに浮かび上がる江戸の街並みのセットの中で、ショーやお酒、京都の名店が手がける屋台を楽しんでいただきました。フルリニューアル後はこうした夜のイベントも定常化したいと考えています。

 ─ 既存の映画館はどう活用していきますか。

 吉村 国内市場が縮小する中、客単価の向上に取り組む必要があります。重要視しているのは体感型上映施設です。24年9月にオープンした「T・ジョイ エミテラス所沢」はアイマックス(IMAX)、スクリーンエックス(ScreenX)、ドルビーアトモス(Dolby Atmos)を全て導入しているシネマコンプレックスですから、需要を掘り起こしたいと思います。

 ─ ネット時代ですが配信にはどう取り組みますか。

 吉村 映画製作とは別軸で、グローバル配信プラットフォーム向けの作品づくりを強化しています。全世界で観ていただける作品の開発に今後も積極的に取り組んでいきたいですね。

 また、岸田前首相に初めてコンテンツ産業を重要産業として認めていただきました。従来、どちらかというと「不要不急」の産業と位置付けられてきましたから、潮目が変わったと感じます。

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