【2025年をどう占いますか?】答える人 フューチャー会長兼社長・金丸恭文
財界オンライン / 2025年1月7日 18時0分
ニュープレーヤーもオールドプレーヤーも挑戦を
─ 昨今、社会問題としてSNS(交流サイト)や生成AI(人工知能)など、情報に関する新しい技術のあり方が問われていますね。
金丸 技術革新は本来、社会のレベルを質的に向上させることが使命だと思います。しかし、新しい技術の黎明期には光と同時に影も現れます。例えば、SNSを悪用した犯罪やフェイクニュースの流し合いのような使われ方は、技術を生み出した人達が求めていなかったことです。新しい時代にふさわしいルールづくりが急務です。
─ 金丸さんは起業家として先輩から後押しを受け、今は若者との対話も進めていますが、世代間を「つなぐ」ことをどう意識していますか。
金丸 わたし自身、改革やイノベーションのバトンを縦につなぐ役として、積極的にコミュニケーションの機会をつくっています。会いたいと言ってくれる若手だけでなく、ニュースを見て興味を持った相手には自分から会いに行っています。
─ 日本の若手起業家の潜在力を感じますか。
金丸 感じますね。起業家の数も、バリエーションも増えています。宇宙を目指す人、金融にAIを活用する人、社会起業家など新機軸を打ち出してビジネスを展開する人も多く、日本のスタートアップ市場は着実に進化していると思います。
一方で「変わらない人」と「変えられない人」もいます。既得権益の中にいて、現状維持でよしとする人たちの割合も多い。オールドプレーヤーにも挑戦が必要ですが、ニュープレーヤーにはそれ以上の挑戦をすることで社会全体を変えていってほしい。特に志をもつ若い人が新しい道を開拓しなければ、日本は世界とのイノベーション競争に劣後していくと思います。
─ よく、なぜ日本でGAFA(米ITテック大手)が生まれないのかと言われますが、これはどのように考えますか。
金丸 GAFAの創業者のほとんどが、20代のうちに2人組で起業しています。つまり、20代でリスクテイクする若者が増えないといけません。若いうちは足りないところがあるのは当たり前です。自分に足りないところはチームで補い合えばいいし、捨てるものがないから挑戦できる。「何もない」ことが付加価値なんです。混迷の時代だからこそ若者の足元にはビッグチャンスが転がっています。就職人気ランキングだけを見てよくわからないまま大企業に入り、貴重な20代を「球拾い」で過ごすのはもったいない。
「なぜ生まれないか」ではなく、こうしたことに気づくか、挑戦できるかの違いではないでしょうか。また挑戦をよしとし、失敗を許容する社会にすることも必要です。
VAIO社長・山野正樹「PCメーカーとして価格以上の価値を伝え、信頼できる商品をつくり続けることが大事!」
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