【2025年をどう占いますか?】答える人 松竹社長・髙橋敏弘
財界オンライン / 2025年1月17日 7時0分
創業130周年、コンテンツ力で勝負し海外にも積極発信!
─ コロナ禍後、日本文化に対し、世界からの注目が高まっていますが、日本の文化・伝統継承を行う松竹社長の髙橋敏弘さん、24年をどう総括しますか。
髙橋 映画興行は低調で、全国の興行成績は2000億円に届くかどうかという結果です。洋画は米国でのストライキの影響も大きく、上半期は洋画の興収における割合は16%、邦画が84%と全体の動員数も減少しました。
演劇興行は徐々に回復の兆しは見えてきました。新作歌舞伎や古典も織り交ぜながら、少しずつお客様のご来場数は増えてきたと。なおかつ、インバウンド(訪日外国人)のお客様も以前は全体の2%でしたが、4~5%まで増えてきています。
─ 今後もインバウンドは増え続ける見通しですか。
髙橋 はい。引き続き施策を強化して最終的には10%ぐらいまで増やしていきたいと思います。
25年には、インバウンド向けの、例えば舞台体験ツアーや、短時間で歌舞伎を観られるようなナイトツアーなども検討していきたいと考えています。「日本文化の伝統を継承、発展させ、世界文化に貢献する」という我々の使命を果たしていきながら、収益も出していきます。
─ 社長に就任されて2年目ですが、どんな感想ですか。
髙橋 日々大変ですね(笑)。でも、デジタル技術の進化が著しい中で伝統文化を守りつつ、新しい技術を取り入れながら挑戦を続けていくという意味では、やり甲斐もあるし、将来的にも面白いことができる会社だと思っています。そのときに判断できる立場にいるというのは有り難いことです。25年が創業130周年というのもあって、やはりそれに相応しい華やかな作品で勝負していきたいと。
歌舞伎では八代目・尾上菊五郎さんの襲名があります。また、30年ぶりに歌舞伎座で三大名作の通し狂言を、1年の中で一挙に行います。新作歌舞伎も取り揃えていくので、年明けにはいろいろ発表ができればと思っています。
─ Netflixなど動画配信サービスが充実してきましたが、どう捉えていますか。
髙橋 AmazonさんもNetflixさんも映画との親和性が高く、ぜひ一緒に作品をつくりましょうというお話をたくさんいただいています。ご一緒することで、お互いに高いシナジー効果が生み出せると思っています。
我々の強みはコンテンツの製作会社であることですので、今後前向きに一緒に良い作品をつくっていければと思っています。Netflixさん制作のヒットドラマ『地面師たち』を観ても、本当に良い作品をつくられています。我々も負けていられません。
また24年に全米で大ヒットした『SHOGUN 将軍』のような日本の時代劇のコンテンツが認められたというのは、われわれにとっても大きい意義を持ちます。日本のエンタテインメントが今後もっと世界で存在感を示していけるよう挑戦していきたいと思っています。
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