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稲垣正・Mytreya代表取締役の「人生の転機」【22歳で就職した会社のオーナーとの出会い】

財界オンライン / 2025年2月6日 15時0分

稲垣正・Mytreya(マイトレーヤ)代表取締役

利害よりも理念─。どんなに辛くて厳しい環境であっても、経営の基盤を叩き込まれたのが高校卒業後、22歳のときに就職した医療機器メーカーでの経験でした。そのメーカーは典型的なオーナー経営者による体育会系の会社。あまりの厳しさに辞める人もたくさんいました。

 私は三重県の地元の高校を卒業後、先輩から「お客様から感謝される仕事がある。人生の師でもある素晴らしい人がいる」と紹介を受けたのがその会社。実際に入社してみると、入社半年間は見習い期間だから給料はゼロと、今のご時世では考えられないような労働環境でした。

 そのオーナー社長から学んだことこそ、「人の役に立つ仕事が売り上げにつながる」という考え方でした。白黒をはっきりさせ、時には鉄拳制裁もあるような厳しい経営者でしたが、自社の医療機器でお客様を幸せかつ元気にさせることを何よりも大事にしていたのです。

 私は営業としてお客様の下に通っていたのですが、ノルマを達成したり、営業成績を伸ばすために、お客様に嘘をついてまで実績をあげようとは考えていませんでした。性に合わなかっただけかもしれません。お客様には「買ってください」というセリフは言いませんでした。

 なぜなら、給料のなかったときに仕出し屋さんからお弁当をもらったり、祖母から交通費のお金を工面してもらったり、人の助けがなければ自分は生きてこられなかったという思いがあるからです。今でも覚えているのは、私がいつまで経っても「買いませんか?」と言わないものだから、お客様の方が他のお客様の注文も取りまとめて「欲しいので買わせてよ」と言っていただいたことです。

 こういったお客様や助けてくれた人たちのお陰で、27歳にして社長に就任できました。ただ、正直な性格のため、会長になったオーナーにも反発してしまい、10年後には解任されてしまいました。それでも2010年に独立し、24年に設立した当社の経営理念はオーナーに叩き込まれた思想を骨格にしています。

 当社が扱っている最先端の浸透技術「nanoPDS(ナノピーディーエス)」は世界を変える素晴らしい技術です。この技術を活用したエイジング製品で、もっと人々のお役に立つ仕事をしていきたいと思っています。

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