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2025年は変革の年 危機感を持って… 【私の雑記帳】

財界オンライン / 2025年2月9日 11時30分

しなやかに、強かに・・・


しなやかに、そして強かにー。世界政治が荒っぽくなっている。自国第一主義が横行し、脅迫まがいの言葉が外交上も飛び交う。経済人・経済リーダーは、そうした環境の変化にしなやかに対応し、かつ強かに生き抜かねばならない時である。

『疾風に勁草を知る』という言葉がある。どんなに激しい風が吹き荒れようとも、地にしっかり根の張った丈夫な草は、それこそ強かに生き抜く。

 リーダーは、その"勁草"を見習って、企業経営のカジ取りを進めなければいけない。

 2025年(令和7年)がスタートした。ヘビ(巳)年で、厳しい環境下にあって、努力を積み重ね、物事を安定させる年とされる。

 物事にはプラス面とマイナス面の二極が付き物だが、植物で言えば、種子が生まれ時とされるというプラス面がある。また巳(ヘビ)は商いが富み、豊穣や金運を招く象徴ともされる。

 要は、マイナス状況であろうとも、いかに、しなやかに強かに生き抜くかであろう。


巳年は変革の年


 2025年は干支で言えば、『乙巳(きのとみ)』。

 60年周期の干支で、『乙巳』は42番目に位置し、歴史的には、時代の転換期に当たることも多い。

 日本では、645年、『大化の改新』が行われた(乙巳の変)。

 大和朝廷で権勢をふるった蘇我入鹿が、中大兄皇子、中臣鎌足によって宮中で暗殺された。国の政(まつりごと)を改める動きは『大化の改新』につながっていった。

 また、江戸時代の1845年は、『天保の改革』(1841ー1843)で幕府の財政立て直しを行った老中・水野忠邦が失脚に追い込まれた年。

 景気の良い時は、人々の気が緩み、賄賂が横行するなど、世が乱れる。気を引き締めようと、改革を進めるリーダーが現れるが、既得権益を持つ者からは疎まれる。

 リーダーには、根気強く、また苦汁を飲みながらも、目標に向かって進んでいく決意と堅固な志が求められる。


気を緩めることなく!


 時代が20世紀に入ると、1905年(明治38年)は、日露戦争終結の年。日清戦争(1894ー1895)に続いて、ロシア帝国に勝利し、日本は"五大国入り"の第一歩を築いた。

 明治維新から先の大戦の敗戦まで77年。そしてその敗戦から今日(2025年)まで80年が経つ。さらには、21世紀に入り、早くも25年が経つが、今も大転換期にある。

 日本が近代化の一歩を踏み出した時、他のアジア諸国のように欧米列強の植民地にならずに、独立国として振る舞うことができたのは、当時のリーダーの『使命と覚悟』があったからだと思う。

 D・トランプ氏は1月20日、大統領に返り咲き、MAGA(Make America Great Again、米国を再び偉大な国に!)を旗印に強烈なパンチを各国に繰り出す。

 日本はこれまで、受け身の姿勢で近代化の荒波をくぐり抜けてきたが、これからは、もっとアクティブかつクリエイティブに動く行動が求められる。そうしないと近隣のアジア諸国から、「日本はやはり属国か?」という見方が強まり、日本の進路にマイナスの影響が生まれかねない。

 そうした意味でも、日本は今、明治維新、敗戦に次ぐ、三番目の危機・転換期を迎えていると言っていい。


経団連会長に筒井さん


 経団連(日本経済団体連合会)の新会長に日本生命保険会長の筒井義信さん(1954年1月30日生まれ)が決まった。5月末、正式に就任する。

 現会長・十倉雅和さん(1950年7月生まれ、住友化学会長)からのバトンタッチ。経団連が創設されたのは、1946年(昭和21年)で、戦後すぐのこと。筒井さんは第16代の会長になるが、歴代会長は製造業から選ばれてきた。金融機関から選ばれたのは筒井さんが初めて。

 本拠の日本生命は相互会社でもあり、政府の許認可を要する規制業種ということからも、異例と見られた。十倉さんは、「今までも行政や政治とのやり取りがあり、その経験を生かしてもらう」と語る。

 何より今は、世界的にも対立と分断が続き、日本の立ち位置をどう見定めるか、大事な時である。

 十倉さんは、「日本は島国でグローバルマーケットを相手にしないと生きていけない。経済安全保障の確保に配慮しながら、法の支配に基づく、自由で開かれた国際秩序・国際経済をきちんと訴えていくべき時」という認識を示し、日本の主体性を発揮するいい機会と本誌でも強調されてきた。

 さらに、"賃金と物価の好循環"、"成長と分配の好循環"の実現に努力され、賃上げについて、「2023年が起点、24年は加速しましたので、25年は定着が必要」と十倉さんは強調する。


日本の生産性向上を!


 これを受けた形で、筒井経団連はスタートするわけだが、本拠である日本生命は運用資産80兆円以上で、日本最大の機関投資家。日本の生産性をいかに引き上げていくかが課題の中で、「政府や企業と丁寧にコミュニケーションを取りながら、十倉会長が掲げられた社会性の視座を持って、課題解決に取り組んでいく」と就任に向けての抱負を語る。

 筒井さんは生保経営者として、税や社会保障の関係にも詳しく、これまで経団連で行政改革推進委員会の委員長を務めてきており、GX(グリーントランスフォーメーション)推進機構の初代理事長も務めている。「何より人柄がいい。対話力のある人」という評価。

 日本生命では6月末、会長職を外れ、特別顧問に就任。所属業種の"くびき"から外れることになり、文字通り全業種、全企業との連携の中で、経団連のカジ取りを進めて行ってほしい。

 肝腎の生産性向上、賃上げについては、物価上昇で、実質所得が下がる中、中小企業の半分は賃上げができないという現状にある。  大企業と中小企業のパートナーシップを含め、どう日本の生産性を引き上げていくか、筒井さんのリーダーシップに期待したい。

2025年 新年に思う【私の雑記帳】

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