KKRが西友売却を検討 流通業界再編の機運高まる
財界オンライン / 2025年2月12日 18時0分
流通業界の再編機運が一気に高まっている。
米投資ファンドKKRが、GMS(総合スーパー)・西友の売却へ向けた検討をしていることが分かった。すでにイオンや『ドン・キホーテ』のパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)などが名乗りを上げており、今後、交渉が本格化するものとみられる。買収総額は数千億円規模になりそうだ。
西友は2008年に上場を廃止し、米小売り大手ウォルマートの完全子会社になった。その後、21年にKKRと楽天が西友の株式を取得。KKRが65%、楽天が20%、ウォルマートが15%を保有する体制となったが、23年に楽天が撤退。以降はKKRが85%を保有している。
西友は昨年4月に北海道の店舗をイオンへ、九州の店舗をイズミへ譲渡。現在は約240店舗を出店しており、同社も「本州に経営資源を集中させる」としていた。
GMSを巡っては、セブン&アイ・ホールディングスも傘下のイトーヨーカ堂について、ヨーカ堂や食品スーパーのヨークベニマル、ファミリーレストランのセブン&アイ・フードシステムズなどを束ねる中間持ち株会社の株式売却手続きを進めているところ。すでにKKRや米ベインキャピタルなどの投資ファンドが名乗りを上げており、今はGMSの再編が加速しそうな状況にある。
もっとも、セブン&アイは本体がカナダ企業から7兆円規模で買収提案を受けており、現在は対抗手段としてMBO(経営陣が参加する買収)を検討。MBOには創業家や伊藤忠商事、3メガバンクが参画する方向だが、市場では「買収金額が大きく、実現に向けたハードルは相当高いのではないか?」(金融筋)という声も出ている。
また、仮にMBOが成立したとしても、伊藤忠商事はファミリーマートを傘下に持つ。このため、コンビニ大手3社のうち2社に伊藤忠が出資するのは独占禁止法上の懸念もある。
実は西友社長の大久保恒夫氏はもともとイトーヨーカ堂の出身。さらに現在、セブン&アイで筆頭独立社外取締役に就くのが、かつて西友のCEO(最高経営責任者)を務めたスティーブン・デイカス氏。両者の立場は変わっても、流通業界再編のうねりに飲み込まれている状況は変わらないようだ。
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