カチタス社長・新井健資の「『空き家問題』など住宅に関する社会課題を解決し、世の中に貢献していく」
財界オンライン / 2021年7月2日 11時30分
コロナ禍によって中古戸建てに強いニーズ
新型コロナウイルスの感染拡大によって、多くの方々が暮らし、住生活を見直されたのではないかと思います。「ステイホーム」が言われる中、それまでよりも家で過ごす時間が長くなりましたから、特に賃貸アパートにお住まいの方の中にはより広いスペースが欲しくなったり、ご近所との関係で生活音が気になったりといった例も聞きます。
こうした状況下、郊外に広い家を、今の家賃と同じ水準で持ちたいというニーズが従来以上に高まっています。コロナ禍で住宅市場にも悪影響が出るのではないかという見方も強かったわけですが、フタを開けてみると「ある程度価格の安い家であれば今のうちに買っておきたい」というニーズが顕在化しました。
当社は中古戸建て住宅を買い取って、リフォームをして再生し販売している会社です。我々の強みは「企画力」だと考えています。相続などの要因で生まれた「空き家」は、家の中の状態などを見てみなければわかりません。そうした家をどうすれば再生できるかを見極める「目利き」が重要です。我々はこの力に磨きをかけているのです。
ありがたいことに「家を売るならカチタスに」と思ってくださるお客様は年々増加してきています。空き家の場合、売主さんも、仲介会社も売れずに困っていることも多く、我々が買い取って再販することが多くの方々の課題解決につながります。
戸建て住宅は買い取った後、リフォームして再販する。築年数の経った家の変化は一目瞭然
中古住宅流通の課題
当社は元々「やすらぎ」という社名で上場をしていました。競売にかかった家を落札し、リフォームして再販していたのですが、景気の良し悪しで年間1万から4万軒の間で物件数が変動し、それに左右されるビジネスモデルでした。
一方、空き家は年間60 万軒発生しており、ストックベースで850万軒あると言われている大きなマーケットです。我々もまだまだ捉えきれていませんから、営業の人員を増やし、1軒でも多く空き家問題の解決をお手伝いしたいと考えています。
社内に向けては「いい商品をつくろう」と言っています。お客様が住宅を購入して住み続けた結果、「カチタスの家を買ってよかった」と言っていただける家づくりをしたいのです。
その仕事に責任を持つために、当社では分業ではなく、仕入れをし、企画した人間が、お客様にお引渡しをするまで担当するようにしています。
また、日本の中古住宅は海外に比べて圧倒的に流通が少ないのが現状です。マンションは徐々に状況が変わりつつありますが、戸建て住宅についても我々が、綺麗で、長年住み続けられる家を提供することで変えていきたいと思っています。よく「新築志向」が強いと言われますが、私は「清潔志向」だと思います。この志向にマッチする商品を出していくことができれば状況は変わるのではないかと考えています。
私は学生時代に政治の道を志し、三和銀行(現・三菱UFJ銀行)で勤務の後、都議会議員選挙に立候補しましたが落選したという経験を持っています。その後、議員秘書やコンサルティングファーム、リクルートでの経験を経て現在がありますが、政治もビジネスも最後は「世の中をよくする」ためにあるものだと思い至りました。今は「空き家」など住宅が抱える課題を解決することで、微力ながら世の中をよくすることに貢献したいと考えています。
あらい・かつとし
1968年12月東京都生まれ。93年東京大学法学部卒業後、三和銀行(現・三菱UFJ銀行)入行。衆議院議員秘書を経て、99年ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン入社。2003年コロンビア大学ビジネススクールでMBA(経営学修士)取得。04年リクルート(現・リクルート・ホールディングス)入社。新規事業部門ゼネラルマネジャー、営業部長などを務めた後、12年やすらぎ(現・カチタス)入社、代表取締役社長に就任。
大和ハウス工業・芳井敬一社長「コロナ禍で『住まい』や 『物流センター』が変化」
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