【認知症は克服できるか?】エーザイのアルツハイマー治療薬が米国で世界初の承認
財界オンライン / 2021年7月6日 15時0分
エーザイが社運をかけるアルツハイマー病(AD)治療薬アデュカヌマブ(米国製品名アデュヘルム)が米食品医薬品局(FDA)から条件付きで承認を得た。効果になお疑義が示され、将来的に承認取り消しの可能性を残すものの、ブロックバスター(超大型品)への成長をにらむスタートラインに立った。
従来の治療薬は症状を一時的に軽くする効果しかなかったが、アデュカヌマブは病気の進行をある程度抑える〝疾患修飾薬〟の位置づけ。過去には有効性を示せないとして臨床試験を中止した経緯もあったが、その後にデータを追加して再挑戦した。
FDAは多くの薬剤がある領域では、副作用リスクなどを厳しく審査する傾向にある。
逆にADは有効な治療法のないアンメットニーズの領域だけに、一歩踏み込んだ判断を下したといえそうだ。ただ、その効果については慎重な意見が目立つことも確か。承認に対する抗議の意思を示すため、FDAの独立諮問委員会委員3人が辞任したことも伝えられている。
米国での価格は1人年間610万円程度。ただこれは、3割程度と言われる値引きの前のもの。日本では投与される患者の数を前提に薬価が決まるが、米国の実質価格(値引き後)を上回る可能性は低いだろう。内藤晴夫社長は市場規模について
「(年間)数十億㌦に成長するのは間違いない」とする。中国市場への期待も隠さない。
エーザイは21年3月期までの中期経営計画で、売上高8000億円、営業利益1000億円がいずれも未達。今期からの新中計では数値目標を示さなかったが、現在の業績を牽引する抗がん剤レンビマと共にアデュカヌマブの動向が達成の可否を握ることは間違いない。
承認取り消しの不安も抱える新薬は一定の収益を確保しながら真の評価を待つことになる。
【国産ワクチン】年内開発の”カギ”
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
Vutrisiranの第III相HELIOS-B試験における全体集団と単剤投与集団の両方で、主要評価項目及びすべての副次評価項目を統計的有意に達成し、肯定的な結果を報告
PR TIMES / 2024年7月10日 14時40分
-
米、アルツハイマー薬を承認 「ドナネマブ」、日本で申請中
共同通信 / 2024年7月3日 8時24分
-
米FDA、イーライリリーのアルツハイマー薬を承認 エーザイに次ぎ2例目
ロイター / 2024年7月3日 6時7分
-
エーザイとバイオジェン、アルツハイマー病薬「レカネマブ」を中国で発売
ロイター / 2024年6月28日 11時42分
-
旭化成が腎疾患の製薬会社買収 「ニッチ」な専門領域で攻める
財界オンライン / 2024年6月18日 15時0分
ランキング
-
1iPhoneの「ホームボタン」が消えていく深い意味 「心の支え」だった人はどうすればいいのか?
東洋経済オンライン / 2024年7月16日 13時0分
-
2「離職率が低い大企業ランキング」トップ100社 単独従業員が1000人以上の会社を対象に調査
東洋経済オンライン / 2024年7月16日 6時0分
-
3「日本でしか手に入らない」カレーパン、なぜ外国人観光客に人気? チーズ入りカレーパンに「私の心臓は高鳴った」【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月15日 22時0分
-
417年ぶり消費増税、強気の「展望リポート」に3人反対=14年上半期・日銀議事録
ロイター / 2024年7月16日 9時8分
-
5中国は不動産バブル崩壊で「未完成ビル」と「売れ残り住宅」の山→政府当局が打ち出した“支援策”の裏にひそむ「重大な懸念点」【現地駐在員が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月15日 8時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)