【総務省】AMラジオ44局がFM化 28年秋めどの転換容認
財界オンライン / 2021年7月17日 7時0分
TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送の在京民放AMラジオ3局は、2028年秋にFM局に転換し、AMを停波することを目指すと発表した。在京以外の全国のAM44局のうち、北海道と秋田県の計3局を除く41局も、同時期をめどにFM局への転換か、FMを主体とする併用体制に移行する方針。
ラジオ局の経営悪化を受けたAM停波をめぐっては、日本民間放送連盟が設備・運営コストの安いFMへの一本化に向けた制度改正を要望。総務省は19年、ラジオ局のAM放送廃止とFM放送への転換を容認し、20年にはFM転換などに関する考え方を公表した。これに基づき、23年以降にAMを長期間停止する実証実験を行う計画となっていた。
3社は「28年秋でのAM停波実現を目指し、協力してさまざまな課題解決に努める」(入江清彦・TBSラジオ会長)としている。これに対し、武田良太総務相は「聴取者の皆さんのご理解を得ながら進めていくことが最も重要だ」と指摘。AM停波実験を通じ、課題を検証していく考えを示した。
AMは高層ビルなどが多い都市部で電波が遮られる「都市型難聴」が問題となってきた。一方でFM波はビルなどの中へも届きやすく、設備などの運営コストも安い。このため在京3局を含む全国47局は、電波障害や災害対策として、AM放送と並行し、高い周波数を使ったFM補完放送(ワイドFM)を行ってきた。
しかし、現在のAM放送は老朽化した設備を更新する費用や土地の確保といった問題があり、継続が難しくなっている。また、FM設備の更新はAMに比べて安価なものの、AMとの二重コストは各局も大きな負担。インターネットラジオの普及などからリスナー離れも進んでおり、同時放送に伴う「二重の投資」は各局の経営を圧迫している。
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