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【キヤノンマーケティングジャパン】 足立 正親・新社長が語る『SDGs』経営

財界オンライン / 2021年7月22日 18時0分

足立 正親氏

キヤノンMJの強みとは?

 ―― 今年3月からキヤノンマーケティングジャパン(以下、キヤノンMJ)の社長に就任された足立さんですが、改めて、社長就任の抱負を聞かせてくれませんか。

 足立 前任の坂田(正弘・現相談役)社長時代に、当社は利益をしっかりと生み出す筋肉質な体制を構築してきました。私もこの流れを継承しつつ、当社グループらしい強みのある領域を今以上に明確に作っていくことが当面の課題であると思っています。

 本年4月にグループの5ヵ年計画である『2021-2025長期経営構想』を発表いたしました。「社会・お客様の課題をICT(情報通信技術)と人の力で解決するプロフェッショナルな企業グループ」をビジョンに掲げましたが、これは私たちの強みを生かして多くの皆様のお役に立っていく、という決意宣言でもあります。

 私たちはキヤノングループという信用やブランド力がある一方で、キヤノン製品以外の様々な商材も取り扱っています。お客様の課題にあわせた最適な解決策を提供する、いわばソリューションの百貨店のようなイメージですが、これからはその中でも「この件はキヤノンMJにお願いしたい」という得意分野を多く作っていく必要があると考えています。

 ―― そのカギになるのがICTということですか。

 足立 そうですね。今、社会には多くの課題がありますが、イメージングで多様な機能を持つキヤノン製品とITソリューションを組み合わせていくことでそのような課題を解決したり、新しい価値を創出する可能性がより高まります。やはり、ICTの力を活用して私たちが解決できる領域を増やしていくことが大切なんだと思います。

 私はキヤノンMJをそのような課題解決に貢献する会社にしていきたいし、お客様だけでなくあらゆるステークホルダーから、そのように期待をしていただけるような会社にしたいと思っています。

 ―― 今、キヤノンMJは百貨店だという話がありましたけど、いろいろな軸がある中で、キヤノンMJの強みとは何だと考えますか。

 足立 一つは顧客基盤です。当社は大企業から中堅・中小企業まで幅広い顧客層に対応する直販部隊を持つほか、日本全国で多くのビジネスパートナー様とのお取り引きがあります。多様なチャネルを持つことで市場ニーズが把握しやすくなり、個々のお客様に合わせた価値提供ができるようになります。

 もう一つはシステム構築力です。他の精密機器の販売会社と違い、グループ内にキヤノンITソリューションズというSIer(エスアイヤー=システムインテグレーター)を抱えています。数千人規模のSE(システムエンジニア)がおり、大手企業向けのシステム開発のほか、数理技術など独自の要素技術を多く持っています。

 キヤノンMJ本体にも高度で複雑な要求に応えられるITコンサルタントが多くいますし、基幹業務システムの運用に耐える自社運営の大規模データセンターも所有しています。これだけの規模を誇るSIerやITコンサルティングの能力を有しているのは当社グループが随一だと自負しています。

キヤノン・御手洗冨士夫会長兼社長「悲観は感情から生まれ、楽観は意志から生まれる」
 


顧客の課題を解決することが社会課題の解決にもつながる

 ―― 足立さんは今、社員に対しては、どのような言葉をかけていますか。

 足立 お客様の課題や社会課題の解決策を、お客様目線で考えていこうということですね。決まり切ったソリューションやプロダクトをベースにお客様に提案するのではなくて、今ある課題をどう解決していったらいいかっていうことを考えていこうと。

 お客様の課題の解決は社会課題の解決につながっているし、社会課題の解決がお客様や私たちのビジネスにもつながっている。今はもう、そういう時代だと思います。

 最近はSDGs(持続可能な開発目標)という言葉をよく聞くようになりましたが、キヤノングループでは1988年に当時の社長が『共生』という理念を発信しました。

 すべてのステークホルダーが共に生き、働き、暮らしていける社会を目指すということを謳ったものですが、この共生の理念こそが、現在の言葉でいう、サステナビリティ経営そのものであると思います。今改めて、この共生の理念を発信していこうと考えています。

 ―― なるほど。SDGsという言葉こそ、最近のものですが、そうした思想は30年以上前からキヤノンにはあったと。

 足立 そうですね。前述した『2021-2025長期経営構想』でも、この共生というキーワードを掲げていまして、社会課題を解決していくことがお客様の課題解決にもつながりますし、結果として当社の市場価値を高めることにもつながると思います。

 今後もわれわれは共生の理念を大切にし、事業を通じて課題解決に貢献することで、お客様や社会にとって、なくてはならない存在になることを目指していきたいと考えています。

「”ESG重視”の経営を行う企業は予期せぬリスクへの耐性が高い」 津坂純・日本産業推進機構社長

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