【農林水産省】農水審議官に女性初の新井氏 接待受けた枝元次官は続投
財界オンライン / 2021年7月24日 11時30分
農林水産省の7月1日付の幹部人事で、消費・安全局長の新井ゆたか氏(87年入省)が農林水産審議官に就任した。同省で女性が次官級ポストに就くのは初めて。新井氏の高い政策立案能力が評価されたとみられる。一方、鶏卵生産大手「アキタフーズ」の前代表=贈賄罪で公判中=から飲食接待を受けた枝元真徹事務次官(84年入省)は続投した。
新井氏は食料産業局長などを経て、19年4月に消費・安全局長に就任。家畜伝染病「豚熱(CSF)」のまん延防止や、昨秋から今春に全国で猛威を振るった高病原性鳥インフルエンザの封じ込めに尽力した。同氏をよく知る農水省幹部は「成し遂げたい政策の方向性が明確な上、リーダーシップがある」と太鼓判を押す。
農水審議官は国際分野を所管するポスト。英国が加盟を希望する環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の農業分野の交渉に加え、東京電力福島第1原発事故に伴う農林水産物・食品の輸入制限を導入する韓国などに対し規制撤廃を働き掛けていく。農林水産物・食品の輸出拡大には規制を取り払うことが欠かせないだけに、さっそく手腕を問われることになる。
今回の人事で最も注目を集めたのは枝元氏の進退だ。霞ヶ関・永田町関係者の間でも続投か退任か、見方が割れていた。省内では「大臣から誘われたら会食参加を断れないのでもらい事故だ」(幹部)と同情論が多く聞かれた半面、「続投だと省内の士気低下は避けられない」(局長級幹部)との厳しい意見も聞かれた。枝元氏は、疑念が生じた行政の透明性確保に向け、組織の立て直しに全力を尽くす責務を負う。
枝元氏が退任となった場合、後任として最有力候補だった山口英彰水産庁長官(85年入省)は退職した。実際、本人は次官就任に強い意欲を燃やしていたとされるが、「漁業団体の顔色ばかりうかがい、水産物の漁獲規制導入に足を引っ張っていた」(政府関係者)といい、その手腕に疑問符が付いていた。
【農水省】鶏卵汚職で「行政ゆがめず」 枝元次官は続投の見通し
この記事に関連するニュース
-
プーチン露大統領が5期目の組閣に着手 閣僚変更は小幅か、国防・治安系は権力闘争の兆し
産経ニュース / 2024年5月11日 17時1分
-
環境省に水俣担当審議官を新設、伊藤大臣が体制拡充と懇談機会増やす考え…マイク切った問題
読売新聞 / 2024年5月10日 14時34分
-
「受刑者のほうがよっぽど世の中を知ってるんだよ」福島刑務所で杉良太郎の“本音”が炸裂した瞬間
文春オンライン / 2024年5月5日 6時0分
-
【外務省】OB2人のメディア対応 〝リップサービス〟に苦虫
財界オンライン / 2024年5月1日 15時0分
-
「年金の神様」が失脚、次官を目前に厚生省を去る 年金を巡る攻防の全記録『ルポ年金官僚』より#3
東洋経済オンライン / 2024年4月17日 10時30分
ランキング
-
1「サイゼが潰れたら喜ばしい」創業者が語る真意 「世の中が良くなることは、すべて最高だ」
東洋経済オンライン / 2024年5月12日 12時20分
-
23期連続減益に沈むヤマト「強気計画」に漂う暗雲 2024年度は荷物量回復で巻き返しを図るが
東洋経済オンライン / 2024年5月11日 7時30分
-
3「超円安」に悲鳴!外食業界で続く値上げの波 「1ドル=160円」なら全面値上げも続出か
東洋経済オンライン / 2024年5月12日 7時50分
-
4年賀状は過去最大17%減、2023年度の引受数…「ゆうパック」はヤマト運輸と協業で増加
読売新聞 / 2024年5月11日 20時22分
-
5総額9000億円「築地再開発」に渦巻く期待と不安 国際競争力の向上と環境への配慮の二兎を追う
東洋経済オンライン / 2024年5月12日 7時40分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください