【新型コロナ】中外製薬のコロナ治療薬が軽・中等度向けで初の承認
財界オンライン / 2021年8月20日 7時0分
新型コロナウイルスとして国内4つ目となる治療薬「抗体カクテル療法」が登場した。中外製薬(奥田修社長)が厚生労働省から承認を取得、「カシリビマブ」と「イムデビマブ」という2つの抗体を合わせて点滴する。持病を抱えるなど重症化リスクがある軽度~中等度の患者が対象だ。
国内で承認されている新型コロナ治療薬には、「レムデシビル」「デキサメタゾン」「バリシチニブ」の3剤がある。ただいずれも重症者向けで、軽・中等度に認められたのは今回が初めて。デルタ株(インド型)などの変異ウイルスにも効果があるとされ、臨床試験では入院や死亡のリスクが7割減少したという。
ただ、これが緊急事態宣言下の社会生活や医療現場のひっ迫をどこまで改善するかは未知数だ。厚労省は投与を入院患者に限るとした通知を出し、ホテルや自宅での療養者を対象から除外。入院していても無症状だったりすると使えない。製造量に限界があるためで、範囲を広げると病院に安定的に供給することができなくなるからだ。
費用負担の面からも課題は残る。カクテル療法に用いる2つの薬剤は製造コストが高いモノクローナル抗体であり薬価も高額だ。国は対象患者を一定程度絞りこまなければならず、患者側から見ると、投与を望んでも叶えられる保証はない。
つまり、軽・中等度患者にあまねく行きわたるかどうかは微妙だ。このカクテル療法はウイルスに感染して7日以内に投与される。症状が重篤化するのは8日目以降が多いからだが、患者に投与すべきか否かの医師の判断やタイミングも難しそうだ。デルタ株への効果が確認されているとはいえ課題も抱える。
今回の承認で治療の選択肢が一つ増えたことは確かだが、医薬品業界も一歩一歩前進という状況。緊急事態宣言下の行動規制が緩和される〝特効薬〟とはならないようだ。
国産ワクチンの年内納品目指す【塩野義製薬】
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ゾコーバ投与、入院37%減 塩野義、コロナ患者調査を発表
共同通信 / 2024年6月29日 15時29分
-
スキリージ、中等症以上の潰瘍性大腸炎の成人患者さんに対する治療薬として日本における適応追加承認を取得
共同通信PRワイヤー / 2024年6月24日 14時30分
-
米イーライリリーの肥満薬、睡眠時無呼吸症候群にも効果
ロイター / 2024年6月24日 12時13分
-
筋ジスの遺伝子治療薬、対象拡大 米FDA、年齢上限を撤廃
共同通信 / 2024年6月21日 11時3分
-
リサンキズマブ、中等症以上の活動期潰瘍性大腸炎の成人患者への治療薬として欧州医薬品委員会が肯定的見解
共同通信PRワイヤー / 2024年6月20日 11時0分
ランキング
-
1CoCo壱「わずか3年で3回目の値上げ」は吉と出るか 過去の値上げでは「客離れ」は見られないが…
東洋経済オンライン / 2024年7月16日 17時30分
-
2iPhoneの「ホームボタン」が消えていく深い意味 「心の支え」だった人はどうすればいいのか?
東洋経済オンライン / 2024年7月16日 13時0分
-
3「日本でしか手に入らない」カレーパン、なぜ外国人観光客に人気? チーズ入りカレーパンに「私の心臓は高鳴った」【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月15日 22時0分
-
4「離職率が低い大企業ランキング」トップ100社 単独従業員が1000人以上の会社を対象に調査
東洋経済オンライン / 2024年7月16日 6時0分
-
517年ぶり消費増税、強気の「展望リポート」に3人反対=14年上半期・日銀議事録
ロイター / 2024年7月16日 9時8分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)