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ミキハウスグループ代表・木村 皓一の「世界の子供に笑顔と安心を!」(第18回)

財界オンライン / 2021年9月2日 7時0分

ミキハウスが支援するレーシングドライバーのJuju選手

子供や若者の才能を掘り起こす!

「世界一の子供服メーカーを目指す」――。

 これはミキハウス(三起商行)の創業(1970年)以来、木村が掲げてきたキャッチフレーズであり、経営理念である。

 世界一の子供服・ベビー服をつくるということは、子供たちの健やかな成長を願う気持ちがあってこそであり、木村は子供の教育にも力を入れてきた。

 先述したように、学校法人『きのくに子どもの村学園』は1992年(平成4年)に高野山の麓、和歌山県橋本市の山中に設立された。

 子供たちの個性を尊重し、自分で考え、自分で決定したり、子供の体験を大切にするという教育理念。福井県勝山市、山梨県南アルプス市、福岡県北九州市、長崎県東彼杵(そのぎ)町、さらには英国スコットランドにも設置されている。

 子供たちは一人ひとりが本人ならではの才能を持っている。現在の偏差値教育のように、知識の詰め込み型ではなく、多様な才能を掘り起こすという教育に木村は共感したのである。

 話を元に戻すと、木村がスポーツ選手を支援してきた根っこには、子供や若者の才能開花を後ろから支えたいという気持ちがあった。

 自らの目標に向かって努力精進するのは本人、それを支援し、温かく見守る――という木村の一貫した姿勢である。

【私の雑記帳】『財界』主幹・村田博文



F1出場を目指すJujuはまだ15歳

 こうしたスポーツ選手の中に、女子中学生のプロレーシングドライバー、野田樹潤(じゅじゅ、通称Juju)がいる。

 2006年(平成18年)2月2日生まれの15歳。父は元F1ドライバーの野田英樹。3歳でカートレースにデビュー。その後も各種レースに出場し、最年少優勝を次々と果たしている。

 2017年4月、岡山国際サーキットで開かれたF4のU17(17歳以下)デビュー戦で、11歳ながら240km/hを出して優勝。

「F1レーサーで優勝したいというのが彼女の夢なんです。今、中学3年生で身長は170㌢ぐらいあります。美少女レーサーを言われて人気があるんです」

 時速230~240㌔台を出して走るからには、危険も相当つきまとうと思うが、老婆心ながら恐怖はないのだろうか?

「もう小さい時からやっていますからね。3歳でキッズカートに乗り始め、4歳でレースデビューしていますから、自動車レースの最高峰・F1に出たいと考えるのも分かりますよ」と、高みを極めようとするJujuの姿勢を高く評価する木村。

 F1の出場資格は、公道での運転免許が取れる18歳以上などの資格条件が付く。F1出場までには、あと2~3年かかる計算。木村も「彼女は今やれることに集中しています」と語る。

 Jujuは海外レースにも進出。14歳という年齢制限がある中で、2020年、デンマークのF4チャンピオンシップに参戦し、ポールポジションンからデビューウィンを飾る。レース関係者やファンの間で話題を集めたのである。

 JujuはF1レーサー・野田英樹の次女。もともと木村は父の野田選手と親交があり、野田選手のスポンサーをしてきた。

「ある時、Jujuちゃんを応援している人から、彼女を応援してくれという話をもらいましてね。よくよく話していたら、野田英樹の娘さんだと言うんです。それで、Jujuが小学2年生の時から応援させてもらっています」

 Jujuは、こうしてプロレーシングドライバーとして、『mikiHOUSE』と書いたレーシングカーに乗ってレースに参戦している。

 Jujuは母ももともと新体操の選手でスポーツ一家に生まれた。

「この子も背が高くて、おそらく1㍍70㌢はある。スケールも大きいし、期待していますよ」と、Jujuのこれからの成長を楽しみにする木村である。

(敬称略、以下次号)

ミキハウスグループ代表・木村 皓一の「世界の子供に笑顔と安心を!」(第16回)

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