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【農林水産省】食品輸出が上期で3割増 年1兆円の目標達成への公算

財界オンライン / 2021年8月30日 11時30分

農林水産物・食品の輸出が好調だ。農林水産省によると、今年上半期(1~6月)の輸出額は前年同期比30・8%増の5407億円と躍進。上半期としては初めて5千億円を超え、過去最高となった。足元の消費が堅調で、当面の目標だった年間輸出額1兆円に到達しそうだ。

 品目別の内訳は、農産物が29%プラスの3754億円。アジアの富裕層に人気が高い牛肉のほか、ウイスキーや日本酒などアルコール飲料がけん引した。新型コロナウイルス感染拡大で前年同期は消費に急ブレーキが掛かった牛肉は、家庭向けにスライスした商品などが好評だったため、約2倍の223億円。海外で評価の高いウイスキーは260億円に上り、日本酒は174億円だった。

 昨年振るわなかった水産物は33%増の1371億円と盛り返した。主力のホタテは、米国や中国でのレストラン再開を受け、74・5%増の230億円に回復。ブリも59・8%プラスの120億円と好調だった。いまだに商談会を開催できていないが、真珠は約3・5倍の81億円と復調しつつある。林産物は46・4%増の281億円と堅調に推移した。

 下半期には、農作物の収穫が最盛期を迎え、例年だと、輸出額が増大する傾向にある。このため、年間輸出額1兆円の達成は確実な情勢。ただ、輸出額を25年に2兆円、30年に5兆円とする政府目標の実現はハードルが高い。

 政府は目標達成のため、牛肉やリンゴ、ホタテなど計27の重点品目について、海外向けに大量に生産する「輸出産地」の形成に取り組むなど、体制整備を急いでいる。

 野上浩太郎農水相は「今後政府一体となってさまざまな施策推進により、さらなる輸出の拡大を図ってまいりたい」と話している。

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