【外国人トップ就任で露わになる日本の課題】三菱ケミカルHD・ギルソン社長の改革が始動
財界オンライン / 2021年9月9日 11時30分
「コングロマリットディスカウントがある中で、シンプルな形で企業を説明していかなければならない。個人的にホールディングスは良くないと思っている。人工的なレイヤーができてしまうから。今後数カ月の中で、皆さんと一緒にポートフォリオを考えていきたい」(ジョ
ンマーク・ギルソン・三菱ケミカルホールディングス社長)
国内トップの化学メーカーの同社だが、20年度決算は売上高3兆2575億円、営業利益475億円、75億円の最終赤字に転落。抜本的な改革が求められる中、ギルソン氏は自身の役目を「1つ目は利益を回復させ、財務的安定性を担保すること。2つ目は低炭素社会に対応し、成長を求めていくこと」と語る。
具体的な成長の道筋は「多くの事業があり、成熟してコモディティに近い事業が多い。ポートフォリオを見直していく」。日本で働いた経験のあるギルソン氏だが、複数の企業を経験し、投資家の視点も持つ観点から多くの問題点を指摘する。
例えば、日本企業と海外企業の違いについて「(日本は)社歴の長い社員が多く、家族的な付き合いができる良さがあるが、逆に言えば、社外での経験を積む機会が少ない。企業も島国のアプローチをしてしまう。日本のベストではなく、世界のベストにならなければいけない。そのためにもオープンでなければいけない。年功序列に反対はしないが、日本は極端な均一性が表れている。年齢と経験だけでなく、業績、パフォーマンス(成果)をもっと評価する必要がある」と語る。
また、「マイナス点は会社の複雑性。意思決定が合理化されていない」ことを挙げる。脱カーボンで石油化学のあり方も根本から見直す必要があるが、「石化はエネルギー集約型の産業。最も低いエネルギーコストの国の企業が勝つ。業界で議論し、日本政府のポリシーを見極めて対応する必要があるが、政府の方針が明確でないため、明確な回答ができない」と語る。
ギルソン氏の社長就任は、日本企業そして日本社会の抱える課題を露わにする。その課題を解決できなければ未来がないのは、企業だけでなく、日本社会も同じといえる。
【関連記事】外国人トップを招聘した理由とは?三菱ケミカルホールディングス会長・小林喜光氏が語る”ガバナンス論”
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