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カミナシ【現場作業のデジタル化】で、”現場”の働き方を変える!

財界オンライン / 2021年9月10日 7時0分

諸岡 裕人・カミナシ代表取締役CEO

オフィスのデジタル化は進んでも、工場など現場はまだまだ紙を使った仕事も多い。本社ではなく、現場主導でデジタル化を推進。現場の働き方改革、生産性向上にも貢献するカミナシの事業とはーー



現場の非効率をなくしたい

 実家は千葉県成田市で羊羹屋を営んでいましたが、成田空港の完成を機に、父の代で機内食の製造や清掃業務など航空関連の業務委託を請け負う会社を設立。わたしは大学卒業後、リクルートスタッフィングを経て、父の会社に入社、様々な現場の仕事を経験しました。

 現場の仕事で痛感したのは、現場はデジタル化が遅れ、生産性が低いということ。品質管理や日報などを紙で管理し、それを手作業で『エクセル』に転記するため、現場の負担も大きく、ミスも発生しやすい状況でした。

 そこで「現場から非効率をなくしたい」との思いから、現場改善プラットフォーム『カミナシ』を構想。ピッチコンテストで高い評価を受け、2016年12月会社を設立、サービスの開発・提供を始めました。

 当初は食品工場向けのサービスでしたが、「工場内にiPadは持ち込めない」「クラウドのサービスなんて使えない」との声も多く、思うように普及が進みませんでした。

 そこで、2020年6月、提供領域を食品工場に限定せず、「オフィス以外の現場」に広げたところ、警備会社から物流会社、製薬工場、福祉施設、ホテル、印刷会社など、業種、企業の大小を問わず、多くの会社にご利用いただき、事業が急成長しています。

『カミナシ』の導入で現場が変わった一例として、1日6回300台の機械の点検をしていた工場では、現場が点検状況を紙でチェックし、管理者はその紙を目で確認して、ハンコを押すという仕事をしていました。

『カミナシ』の導入後は、タブレット端末を使って文章だけでなく写真入りで点検手順をわかりやすく伝え、管理者側も〇×の確認ではなく、問題のある箇所のみをチェックできるようになり、現場の負担が減った他、取引先からも「そこまでしっかり点検しているなら安心」と更なる信頼獲得につながりました。

 また、工場では外国人労働者も多いため、ボタン1つで文章を翻訳するなど仕事のしやすい環境整備にも一役買っています。
 ITサービスは、本社のIT部門やベンダーが中心になって導入することが多いですが、『カミナシ』は現場主導で現場を改善するツールです。

 導入前は「アナログな現場だし、高齢者も多いから使えない」といった声も多いのですが、いざ導入すると「反発もなく、すんなり受け入れられた」との声がほとんどです。

 現場はアイディアの宝庫です。しかし、一方で、、デジタル人材の不足でデジタル化が遅れているとも言われています。

『カミナシ』は誰でも簡単に使いこなせるツールです。現場が自ら考え、働き方改革を推進し、自らの働き方に誇りを持てるような世界を実現していけたらと思っています。

”手順書”をデジタル化する『スタディスト』

カミナシ代表取締役CEO
諸岡 裕人

もろおか・ひろと
1984年7月生まれ。千葉県出身。2009年3月慶應義塾大学経済学部卒業後、リクルートスタッフィング入社。2012年家業のワールドエンタプライズに入社。2016年12月カミナシ設立

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