『関西スーパー』を巡ってH2Oとオーケーが争奪戦を繰り広げる理由
財界オンライン / 2021年9月22日 15時0分
大阪が地盤の食品スーパー・関西スーパーマーケットを巡って、阪急阪神百貨店やイズミヤを傘下に持つエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングと神奈川が地盤のオーケーによる争奪戦が起こっている。
8月31日、H2Oと関西スーパーは資本業務提携を発表。H2Oは株式交換を経て、関西スーパーと傘下の食品スーパーを経営統合し、「関西最強の地域密着型食品スーパー連合を目指す」(荒木直也社長)としていた。
しかし、9月3日、関西スーパーの株式7・69%を保有するオーケーは、今年6月に関西スーパーの上場来高値である2250円で株式公開買い付け(TOB)を提案したが協議の場を設けられなかったとして、「公正に比較検討頂けたのか懸念している」との声明を発表した。
H2Oとの提携を発表する前日の8月30日に関西スーパーの終値は1320円だったが、オーケーの発表を受け、9月3日から一気に上昇。10日の終値は2160円で推移している。
もっとも、オーケーの意見表明を受けた関西スーパーは「H2Oとの経営統合を撤回する意向はない」としている。
ただ、市場では「H2Oは株式交換という手法をとっているので、関西スーパーの企業価値をどう捉えているのかが分かりにくい」とか、「経営統合は従業員や企業文化なども考慮して総合的に判断するもので、買収価格だけで決まるものではない」という声もある。今後は株主への説明責任が問われそうだ。
また、中四国地域ではイオングループが自社の食品スーパーを再編。広島に本社を持つマックスバリュ西日本と愛媛が地盤のフジが2024年3月を目途に合併し、新会社を設立する。両社の売上高を合計すると約8700億円、500店舗となり、中国・四国地方では圧倒的な存在感を誇ることになる。
足元ではコロナ禍の巣ごもり需要で食品スーパーの業績は堅調。しかし、ここへきて、食品スーパーを巡る再編が相次いでいるのは、各社ともアフターコロナを見据えて、販売力やコスト競争力を向上させたいから。
特に、高齢化や人口減少といった課題は都心部よりも地方の方が深刻だが、イオン会長の岡田元也氏は「企業が変われば地方が変わる。地方が変われば日本が変わる」と、地方が持つ可能性に自信を見せている。
各社には人口減、市場縮小への危機感が強く、今後も企業の合従連衡は続きそうだ。
【ネットスーパー再編】DXをキーワードに食品スーパーの合従連衡が加速
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
加速する事務機再編"三つどもえ"の最終戦争 儲かる斜陽事業「温存」に向けた連携拡大は必至
東洋経済オンライン / 2024年4月25日 7時40分
-
ドラッグストア最大手「ウエルシア」社長が不倫報道で辞任…松本忠久氏の叩き上げ人生と経営手腕
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年4月18日 11時12分
-
スーパー「オーケー」創業者の飯田勧氏が死去…「関西スーパー」買収の夢はかなわず
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年4月13日 9時26分
-
業態超え大型再編続々の小売業界を読み解く!流通相関図2024!
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2024年4月8日 19時55分
-
ウエルシア・ツルハが統合しても「業界の覇者」になれない理由 今後のカギを握る2社
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月5日 15時0分
ランキング
-
1山手線沿線の再開発が進む 「新宿、渋谷、品川」駅の工事はいつ終わるのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月25日 7時10分
-
2サイゼリヤ、ギリギリ「国内黒字化」も残る難題 国内事業の利益率0.05%、値上げなしで大丈夫か
東洋経済オンライン / 2024年4月24日 7時30分
-
3イトーヨーカドー、祖業のアパレル復活なるか アダストリアとの新ブランドが生んだ“相乗効果”
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月25日 10時0分
-
4アキレス、シューズの国内生産終了へ コスト増や少子化など背景
ロイター / 2024年4月25日 16時27分
-
5過度の変動望ましくない、動向注視し万全の対応行う=円安で官房長官
ロイター / 2024年4月25日 11時35分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください