【キヤノン】次世代型CTの開発目指し、カナダ企業を買収
財界オンライン / 2021年9月22日 18時0分
キヤノンが次世代型コンピュータ断層撮影装置(CT)を開発するため、加レドレン・テクノロジーズ社を買収する。キヤノンは近年、医療事業を次の成長分野に見据えており、今回の買収を機に医療事業の更なる強化を図りたい考えだ。
カナダに本社を置くレドレン社は、医療用画像診断機器やセキュリティ検査装置に用いられる、テルル化亜鉛カドミウム半導体検出器モジュールの開発・製造を手掛けている。1999年に設立された企業だが、この分野ではトップクラスの技術力をもつという。
キヤノンが目指しているのは、「低被ばくで体内の特定の物質の鮮明な画像化が可能になる」(同社)として、次世代型CTとして注目される”PCCT(Photon Counting CT)”の開発。これにより、「従来技術では困難とされてきた、非常に小さな病巣の早期発見や、細かな病変の把握が可能になると期待されている」(同)。
また、従来のCTと比べ、少ないX線照射でノイズの少ない画像取得が可能になり、被ばく量の大幅な低減による患者の身体的負荷の軽減も期待できる。
長くカメラと複写機を中心としたビジネスモデルで成長してきたキヤノン。しかし、近年はこれら主力2事業の成長が鈍化。ネットワークカメラや有機ELディスプレイ製造装置などの産業機器、そして医療などを次の柱と考えて育成してきた。
中でも医療事業は、2016年に経営再建中だった東芝から医療事業を6655億円で買収。一気にCTやX線診断装置で国内トップ企業となった。しかし、世界では米GE(ゼネラルエレクトリック)や独シーメンス、蘭フィリップスといった強豪がしのぎを削っている。
近年は医療関連事業の相次ぐ買収で、富士フイルムホールディングスも同分野で攻勢をかける。キヤノンは今回のレドレン買収で、医療分野の競争力強化を図ることはできるか。
【キヤノンMJ】 足立 正親・新社長が語る『SDGs』経営
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
加速する事務機再編"三つどもえ"の最終戦争 儲かる斜陽事業「温存」に向けた連携拡大は必至
東洋経済オンライン / 2024年4月25日 7時40分
-
コニカミノルタ、富士フと提携協議でも残る火種 ついに事務機改革に着手、過去最大の人員削減
東洋経済オンライン / 2024年4月17日 7時30分
-
最先端技術のパイオニア: ハイエンド医用画像開発企業VITAL HealthCareがCMEFデビュー
共同通信PRワイヤー / 2024年4月15日 9時43分
-
GEヘルスケア・ジャパン、核医学領域における精密な診察を強力に支援
PR TIMES / 2024年4月12日 17時15分
-
フィリップス、「心不全パンデミック時代」に備える心臓AI技術搭載 最新プレミアムモデル「CT 5300」4月4日(木)より発売
PR TIMES / 2024年4月4日 14時15分
ランキング
-
1黒田東彦・日銀前総裁「円安は一時的」…NYの講演で見解、マイナス金利解除・利上げは「当然のこと」
読売新聞 / 2024年5月3日 17時45分
-
2円上昇、一時151円台 3週間ぶり円高水準、介入警戒も
共同通信 / 2024年5月3日 22時28分
-
3いなば食品、大炎上も「ほぼ沈黙」の戦略的な是非 「沈黙は金」黙って耐える…のはもう通用しない
東洋経済オンライン / 2024年5月3日 19時30分
-
4インフレ・金利上昇、マンション購入は急ぐべき? 長期では、マンション所有は3つのリスクの塊
東洋経済オンライン / 2024年5月3日 11時10分
-
5東京で「舟通勤」は定着するか? ノー渋滞で快適も、課題は山積み
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月3日 8時35分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください