【国土交通省】上場に向けて大きく前進 「妥協案」飲んだ東京メトロ
財界オンライン / 2021年9月27日 11時30分
長年膠着していた東京メトロの株式上場が、実現に向け大きく前進した。国土交通省の交通政策審議会は7月、政府と東京都が保有する株式を半分ずつ売却することを求める答申を赤羽一嘉国交相に提出。地下鉄整備で経営への影響力を保持したい都との調整が難航していたが、同社が後ろ向きだった路線延伸の整備費用を国と都が支援するという「妥協案」を飲んだことで、事態が動いた。
東京メトロ株は現在、政府が53・4%、都が46・6%を保有している。答申は「企業価値の向上や財務の健全性の確保を図るとともに、国と都が共同で手続きを進め、同時・同率で売却することが重要」と指摘。同社が影響を懸念する有楽町線と南北線の延伸について「十分な公的支援が必要」としながら、保有株の売却を求めた。
東京メトロは東京地下鉄株式会社法に基づく特殊会社。同法附則は「できる限り速やかに法律の廃止、その保有する株式の売却その他必要な措置を講ずるものとする」と規定する。
株式の売却益は復興財源確保法に基づき東日本大震災の復興予算に充てられるが、昨年の法改正で2022年度だった完全売却の期限が27年度まで延長された。上場を巡る議論が前進するまで、民営化した04年から実に17年を要した。
答申を受け、赤羽国交相は「地下鉄ネットワーク拡充と完全民営化の促進、東日本大震災からの復興に要する財源の確保という長年の課題を同時に解決する道筋を示していただいた」と歓迎。小池百合子都知事も「地下鉄ネットワークのさらなる充実やサービス向上を図る点からも、答申に基づき売却の準備手続きを進めていく」と語った。
国交省は来年度概算要求で、2路線の延伸など地下鉄整備に関する調査費を計上した。都も支援策を検討する。株式上場に向けた議論は今後、財務省と都に移る。
鉄道業界初、東京メトロが車両の混雑「見える化」を本格運用へ
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