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【薬局のDXを牽引】カケハシ社長の「人生の転機」

財界オンライン / 2021年10月4日 18時0分

中尾豊・カケハシ社長

【人生の転機】自分から社会へのベクトルの転換
カケハシ代表取締役社長 中尾 豊 Nakao Yutaka

 努力と結果を出すことにこだわってきました。努力をし、結果を出した先に新たな価値が生まれたら、それが転機に変わるのかなと思っています。

 大学卒業後、ご縁があって武田薬品工業に入社しました。同期には偏差値が高く、文武両道のエリートがたくさんいました。わたしはエリートではなかったので、その中で、どう努力をし、結果を出していくか、真剣に考えて活動してきました。その結果、121人いたMR同期の代表を務めたり、配属先の大学病院では、どうすれば医師や薬剤師、そして患者さんに価値を出せるのか、彼らの思っていること、感じていることに目を向け、問題を解決するために何をすべきか考えて仕事をしてきました。

 努力をし、MRとして結果を出せるようになると、今度は、より深く物事を考えるようになりました。最初は社会のためだけにとは思い切れず、結果を出すにしても、自分にベクトルが向いていました。そのベクトルが自分ではなく社会に向いた瞬間が、1つの転機になっていると思います。

 そこから、さらに世の中の患者さんが何に困っているのかを真剣に考え、徹底的に患者さんを見つめました。そして、社会全体の知識を得ようと大学院に通ってMBAを取得しました。

 患者さんへの理解を深め、社会への視野を広げることで改めて見えてきたことは、医療従事者は目の前の患者さんに接して問題を解決しようとしますが、患者さんを軸に物事を見ると違ったものが見えてくるということです。病院に来るまでの辛さ日常生活の困難に対する感情など、医療従事者が把握しきれていない生活圏内の課題がまだまだあると感じました。そして、その課題を解決するためにやれることは多いことに気付き、2016年「日本の医療体験を、しなやかに。」をミッションとするカケハシを創業しました。

 MRだったこともあり、まず患者満足と薬局の働き方改革を支援する電子薬歴システム

『Musubi』を開発。多くの薬局にご利用いただいています。

 また服薬中の悩みや不安を解決するため、LINEを使った患者フォローサービス『PocketMusubi』も提供しています。

 今は薬局中心のサービスを手掛けていますが、目指しているのは、患者さんの〝不〟の体験を改善し、医療従事者が働きやすい環境をつくること。これからも努力を重ね、結果を出していきたいと思っています。

【現場の働き方】をDXで変えるカミナシ

中尾豊カケハシ社長 中川貴史共同創業者

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