【金融庁】コロナの長期化で「債務の公的買い取り構想」が浮上
財界オンライン / 2021年10月5日 11時30分
新型コロナウイルス禍が長期化する中、政府・与党内で経営不振に陥った中小事業者向け貸出債権を公的機関が買い取る構想が浮上し、金融庁が対応に頭を悩ませている。
国の断続的な緊急事態宣言の発動で営業が制限された飲食・観光業などを中心に中小事業者は経営や雇用維持のために借金を膨らませている。構想は公的機関による買い取りを通じて企業の債務負担を軽減し、事業再生を円滑に進めてもらう狙い。
与党関係者は「東日本大震災の被災企業を対象に(買い取りを)行った実績もある」と強調。金融庁に対して水面下で買い取り機関の制度設計や銀行業界との調整を急ぐように促している。
ただ、大震災の際は買い取り対象が被災地に限られていたが、コロナ禍で打撃を受けた企業は全国に及ぶ。このため、金融庁は「対象企業数は比較にならないほど膨大になる。大規模な買い取り組織が必要な上、財源の手当ても難題だ」(総合政策局幹部)と頭を抱えている。
震災時のように工場が地震で壊れたり、津波で流されたりといった物理的損害がないため、銀行からの貸し出し債権の買い取り価格の設定も難しい。
金融庁の本音は、買い取り機関のような大掛かりなスキームではなく、経営が悪化した企業が銀行側と協議して債務負担を軽減する「私的整理」の有効活用だが、こちらも銀行界が受け入れるかは見通せていない。
11月までに行われる衆院選をにらむ与党内では、ポスト菅義偉となる新首相の下、選挙公約として中小事業者の債務軽減策を打ち出す構えで、金融庁は厳しい対応を迫られそうだ。
【金融庁】米中の覇権争いを受け「経済安全保障室」を新設へ
この記事に関連するニュース
-
中小企業デットファイナンスの新潮流 第35回 当座貸越(2)
マイナビニュース / 2024年11月22日 8時0分
-
いわき信組で現金着服事案2件発覚…金融当局がニラむ「175億円公的資金」返済計画(重道武司)
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月21日 9時26分
-
インフレは確実か…〈トランプ新政権〉がもたらす市場への影響と、投資家が備えておくべき「3つのポイント」【マクロストラテジストが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月16日 9時15分
-
中小企業デットファイナンスの新潮流 第34回 シンジケートローン
マイナビニュース / 2024年11月15日 8時0分
-
中小企業デットファイナンスの新潮流 第33回 コベナンツ
マイナビニュース / 2024年11月8日 8時0分
ランキング
-
1ローソンストア100「だけ弁当」第12弾は「イシイのミートボール」とコラボした「だけ弁当(イシイのミートボール)」
食品新聞 / 2024年11月23日 20時40分
-
2副業を探す人が知らない「看板広告」意外な儲け方 病院の看板広告をやけにみかける納得の理由
東洋経済オンライン / 2024年11月23日 19時0分
-
3【独自】所得減税、富裕層の適用制限案 「103万円の壁」引き上げで
共同通信 / 2024年11月23日 18時57分
-
4「中間管理職を減らしたい」企業の盲点 リストラで起こる、3つのリスクに備えよ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月24日 8時0分
-
5《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン / 2024年11月23日 16時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください