【JTB】コロナ長期化で苦境続く中、本社ビルを売却
財界オンライン / 2021年10月13日 7時0分
「企業規模が大きいほど、コロナ禍では小回りの効いた機敏な対応をとることが難しくなっている。一方で手元資金の確保や財務強化は避けては通れない」とは大手旅行会社首脳の弁だ。
コロナ禍の長期化で苦境が続く旅行大手で本社ビルを売却する動きが出てきている。
JTBは東京都品川区の本社ビルと大阪市のビルを売却。売却額は数百億円とも言われている。売却して得た資金をコロナ禍で傷んだ財務強化に充てると共に、需要の回復を見据えた成長投資にも充てる考えだ。オフィスを売却してもJTBは本社ビルに入居し続ける。同業ではエイチ・アイ・エス(HIS)も東京都港区の本社オフィスを売り、賃貸に切り替えている。
JTBは構造改革に着手済みだ。今年度末までにグループ全体の約25%に当たる約7200人を削減し、店舗数も21年度末までに国内115店舗と全体の約25%分を減らす。今期の賞与も支給しない方針を固めるなど、社長の山北栄二郎氏は「(22年3月期は)何としても(最終)黒字化を実現する」考えだ。
また、コロナ禍の長期化に備え、JTBは資本金を23億円から1億円に減資して税制上の優遇を受けると共に、福利厚生代行を手掛ける国内業界3位の子会社・JTBベネフィットを売却。日本政策投資銀行や取引先の3メガ銀行に対し第三者割当増資を実施し、300億円の資本増強を受けるなど「あの手この手の状況」(冒頭の首脳)だ。
さらにコロナ禍を経て非接触ニーズは高まると見られる。コロナ前の19年の国内旅行市場のうちオンライン予約の占める割合は約4割だったが、その5年前よりも1割弱上昇していた。「ポストコロナではオンライン予約が間違いなく上昇する」(関係者)。リアルな店舗の利用は落ち込むことが確実な情勢だ。
JTBも「観光事業者はもちろん、それを取り巻く自治体などの行政機関や企業の抱えている課題を解決するためのソリューションを提供していく」(山北氏)などオンライン化への対応に向けて手を打っていく考え。
ワクチン接種が普及すればGo Toトラベルの再開といった議論も出てくる。飲食などと共に旅行業界もリベンジ消費が発生すると目されるだけあって、次の仕組みのためのJTBの本社売却と言える。
『ANA』がピーチに国内線を一部移管 ポスト・コロナの主軸は観光需要
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