【半導体受託生産】世界最大手・台湾TSMCが熊本に新工場建設へ
財界オンライン / 2021年10月20日 11時30分
「海外企業を誘致するより…」という声も聞かれる中で
台湾の半導体受託生産世界最大手・台湾積体電路製造(TSMC)が、熊本に半導体の新工場を建設する方向で調整を進めていることが明らかになった。
ソニーグループやデンソーも加わる予定とされるが、新工場建設には数千億円単位の巨額投資が必要だ。長期化する米中ハイテク覇権争いや深刻な半導体不足など、半導体のサプライチェーン(供給網)構築は大きな課題。そのため、経済安全保障の観点から、日本政府が半分を支援する可能性もあるという。
今年3月には、すでにTSMCが日本に子会社を設立。日本に研究開発の拠点を設立することを決めた。日本には半導体関連の部材や装置など、幅広い技術を持った企業が多く、新工場を建設することによって、日台連合で半導体産業の活性化を狙っているようだ。
今年に入って、世界的な半導体不足により、自動車や家電製品が減産を余儀なくされた。半導体各社は10年以上前から自社の生産設備を軽くして、生産をファウンドリー(受託生産)に委託するモデルを推進。そのため、自社での急な生産増には限界があるのだ。
また、ファウンドリービジネスは規模勝負でもあるため、寡占化が進み、現在は、台湾TSMC、台湾UMC(聯華電子)、米グローバルファウンドリーズの実質3社で世界の半導体生産を支えていると言っても過言ではない。
そういう中で、日本政府は安定した半導体供給体制を整えるため、今回のTSMC誘致に動いた。ある経産省幹部は「海外の先端ファウンドリーの誘致を通じた日本企業との共同開発・生産など、他国に匹敵する大胆な支援措置が必要」と意気込む。
しかし、某経済人は「海外の企業を誘致するよりも、国産の半導体を育てることの方が大事ではないか」と語る。
「半導体は産業のコメ」と言われるように、半導体は産業競争力や国の安全保障とも密接に絡んでくる。足元の半導体確保も大事だが、中長期的に日本の半導体産業をどう育成するかも大事。米中対立が長期化する中、今は日本の中長期的な半導体戦略が問われている。
半導体不足に加え、部品調達不安も 『トヨタ』が9月の生産を約4割減
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
半導体新技術「日本は先行している」は愚かな妄想。次はお家芸の装置・材料が狙われる?
Finasee / 2024年7月17日 16時0分
-
航空宇宙・防衛産業に優位性持つ米アリゾナ州、防衛関連アクセラレーション施設開設など新たな動きも(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月1日 0時10分
-
台湾半導体「TSMC」、経営トップが6年ぶりに交代 劉徳音氏が会長を退任、社長の魏哲家氏が兼務
東洋経済オンライン / 2024年6月28日 17時0分
-
熊本第2工場向けの投資を許可 台湾審議会、TSMCに8千億円
共同通信 / 2024年6月27日 21時37分
-
なぜ巨大IT企業の「日本への建設ラッシュ」が起きているのか…「これからは中国より日本」というIT業界の本音
プレジデントオンライン / 2024年6月24日 8時15分
ランキング
-
1マクドナルドが「ストローなしで飲めるフタ」試行 紙ストローの行方は...?広報「未定でございます」
J-CASTニュース / 2024年7月17日 12時55分
-
2永谷園、MBO成立=今秋にも上場廃止
時事通信 / 2024年7月17日 20時36分
-
3申請を忘れると年金200万円の損…荻原博子「もらえるものはとことんもらう」ための賢者の知恵
プレジデントオンライン / 2024年7月17日 8時15分
-
4「7%だったら仕方ない」牛丼チェーン松屋が“深夜料金”を本格的に導入 人件費を価格に転嫁【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月17日 20時37分
-
5「再配達は有料に」 ドライバーの本音は
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月17日 6時40分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)