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日本エネルギー経済研究所・新理事長を直撃! 『S+3E+G』で カーボンニュートラル実現を! 

財界オンライン / 2021年10月28日 7時0分

寺澤 達也・日本エネルギー経済研究所理事長

「2050年に温室効果ガスの排出を実質ゼロにするカーボンニュートラル実現に向けては、非常に高い目標ではあるものの、これは日本のみならず、世界共通の課題。当研究所の分析力と発信力を生かして、目標実現に向けた道筋をお示しできるよう最大限サポートしていきたい」

 エネルギー・環境分野における日本最大のシンクタンク・日本エネルギー経済研究所(以下、エネ研)。今年7月、11年ぶりに新たな理事長が誕生した。

 世界は脱炭素の流れが加速。日本も途中過程となる2030年に13年度比で温室効果ガスを46%削減することを目標に掲げている。化石燃料への依存度を減らし、再生可能エネルギーを増やすのは当然だが、原子力の位置づけは曖昧で、実現に向けたハードルは高い。

「今は環境面ばかりがクローズアップされているが、エネルギー政策にはリアリズムも必要。『S(安全性)+3E(エネルギー安全保障、経済効率性、環境保全)』という従来のエネルギー政策の基軸をしっかりと確保した上で、わたしは『G(成長)』が必要だと思う。カーボンニュートラル実現が経済成長の足かせになってはいけない」

 経済産業省時代、野田佳彦内閣で総理秘書官を担当。2012年に当時の野田首相が関西電力大飯原子力発電所の再稼働を決定。前年の東日本大震災から1年後で、首相官邸が再稼働に反対するデモ隊に取り囲まれる中、「エネルギーの安定供給という観点で毅然と判断した野田首相の姿に国家のあるべき姿やリーダーとしてのあり方を感じた」という。

 エネ研発足から今年で55年。現在、約160名のスタッフのうち約100名を占める、幅広い知見と専門性を持った研究員が今後もエネ研の強みになる。

「従来のエネ研はエネルギー・環境分野の専門家には定評があったが、カーボンニュートラル実現に向けてはあらゆる産業の参画が不可欠。今後も専門性を高めながら、エネルギー・環境産業以外の幅広い方々にも頼られるよう、共にソリューションを見出せる存在になりたい」

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