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本社移転負担もこなし、順調な収益推移に転じたライオンは中長期視野で期待大

財経新聞 / 2024年5月14日 8時53分

 ライオン(東証プライム)。歯ブラシ国内首位。トイレタリー商品3位。薬品や工業用品も手掛ける。アジア市場強化中。

 展開している商品群は、とにかく多い。ブランド別に捉えただけで「あ行」に「アクロン(おしゃれ着ケア剤)」「エキセドリン(鎮痛解熱剤)」など7ブランド。「か行」から「ら行」までを加えると、計52ブランドに及ぶ。

 残り少なくなった歯は丁寧に磨き、その上で口腔ケア剤:クリニカを口に含み清潔さを保っている。これからのシーズンは、昼間は後方の首筋を、就寝時には額に「冷えピタ」を張り暑苦しさを凌いでいる。といった具合に私自身の生活の中にもライオン商品は深く根ざしている。

 それほど幅広く生活と関わっており、かつ競争状況に置かれているゆえ時に前期比売り上げ減/逆に売り上げ増の分野が出てきても不思議ではない。

 が今回久方ぶりにライオンを覗いて見ようと思ったのは、前12月期実績と今期計画の間の差異だった。前期は「3.3%増収、28.9%営業減益」に対して今期計画は、「1.8%の増収(4100億円)、31.7%の営業増益(270億円)」。

 売上高には殆ど変化は見られない。が営業利益は「205億6500万円」に対し「270億円」。ある程度、理由は予見できた。ライオンは昨年4月、台東区蔵前に移転している。それまで4カ所に分かれていた本社機能を1カ所に統合した。

 ライオンでは「競争激化に伴うコスト増に、本社移転負担が加わったため。今後は希薄化」と説明したが、実数は明示されていないが本社機能の統合・新本社移転にさほどのコスト負担を背負うとは想像できなかった。

 では新本社を構えたライオンの今後は、どう捉えておくべきか。ちなみに前期も1円増配の26円配、今期も27円配予定。前期末の有利子負債に対する利益剰余金は1380倍強。好財務体質を身につけている。

 2030年までの長期ビジョンのもとに想定した、至今期計画は「CAGR(年平均成長率)4%強、EBITDA(有利子負債倍率=税引き前利益-特別損益-支払利息-減価償却費)過去最高、ROE9%水準」としっかりした企業を掲げている。

 また30年ビジョンの一環として「一部ブランド売却」「販売品目3割削減」などの、構造改革も打ち出している。

 本稿作成中の時価は1400円台入り口、予想税引き後配当利回り1.5%強。2月に1200円台前半まで押して戻り過程。が深追いは禁物か・・・。調整済み株価ベースで9年半余パフォーマンスは2.3倍弱。じっくり構えて中長期スタンスで臨む株か・・・

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