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ソフトバンクGが、最先端半導体の開発でAI分野の覇権奪取へ向かう!

財経新聞 / 2024年5月19日 12時58分

 ソフトバンクグループ(SBG)が投資会社であることを宣言していた孫正義会長兼社長は、SBGに対する市場の評価に耐え難い思いを抱き続けていた。

 SBGの時価評価額が、ビジョンファンドを含めた保有株式評価額合計の半額程度にしかならないことが我慢できず、「コングロマリット・ディスカウントだ」という言葉で思いを表現していた。

 「株式市場がSBGを不当に安く評価している、正当に評価されていない」という思いを込めたフレーズだ。「分野の枠を越えて、様々な業種で事業を展開する企業グループ(コングロマリット)」と自負するSBGの市場評価が、低すぎるという思いを吐露したものだ。

 投資家側にも言い分はある。市場で公開されている銘柄であれば直接投資が可能だし、玉石混交の未公開銘柄の状況を適切に評価することはできない。SBGを巨大なETF(上場投資信託)と見るにしては未公開企業のウエイトが高すぎる。

 スタートアップが多いから、事業基盤は確立されているとは言えず、社会の変動に対しても脆弱だ。日本企業として過去最高の利益を計上した(21年3月)翌年(22年3月)に、日本企業として過去最大の損失を計上するような安定感のなさでは、安心して見守る気持ちになどなれないということだ。

 13日、SBGの後藤芳光CFO(最高財務責任者)は24年3月期連結決算(国際会計基準)で最終赤字が縮小したことを公表すると共に、今後は人工知能(AI)分野をリードする企業として大きく変身することを発表した。

 半導体大手であるアームの半導体設計能力を最大限に活かして、エヌビディアやアップルのように自前の製造工場を持たないファブレス企業として、製造を台湾積体電路製造(TSMC)などのファウンドリー(半導体受託生産会社)に委託する。

 そうして手掛けた半導体を、データセンターに組み込みロボットの頭脳に据えて、発電事業で生み出した電力を供給する。最先端のAIは、SBGの中でぐるぐる回して旨みは全て搾り上げる計画だ。

 具体的なことは、6月の株主総会で孫会長が自ら説明する。

 因みに、エヌビディアが3月に出荷を開始したH200(先端画像処理半導体:GPU)は、従来主力だった「H100」を大幅に上回る高性能のAI向け半導体で、生成AIブームの最中に投入されるというタイミングが注目を集めた。

 加えて年内に投入するB200という次世代AI半導体は、CPU(中央演算処理装置)との組み合わせで米メタの大規模言語モデル(LLM)の処理能力を30倍に向上させるという。22年にはAI半導体の市場シェアの約8割を押さえながら、更にパワーアップしているエヌビディアが圧倒的な存在感を示す事業へ、後発として乗り出す胆力は並ではない。

 孫会長が兼ねてから到来を予言していたシンギュリティ(技術的特異点:人工知能が自律的にフィードバックを積み重ねて、いずれ人間を超える知性が誕生するという仮説)を、自ら実現しようという思いがあるのかも知れない。

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