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「泥の中の豚のように幸せ」とは? 農場由来の英語の成句・ことわざ

財経新聞 / 2024年5月21日 9時15分

 英語には、人々の日常生活や感情を豊かに表現する、多くの成句やことわざが存在する。それらは、長年にわたり人々に親しまれ、教訓や喜びを提供してきた。前回はイギリス由来のことわざを紹介したが、今回は農場由来の成句やことわざを取り上げ、その起源と使われ方について掘り下げる。

■Happy as a Pig in Mud

 「happy as a pig in mud」とは、非常に幸福な状態を表す英語の成句である。直訳すると「泥の中の豚のように幸せ」となるが、これは、豚が泥の中で楽しそうに遊ぶ様子に由来している。

 豚は泥の中で涼を取るのを好むとされている。また、泥にまみれるのは寄生虫から身を守るという目的もあるそうだ。いずれにせよ、豚にとってはそうした行動が快適であることから、それになぞらえてこの成句が誕生したのだろう。

 ところが1860年代には、「happy as a pig in a puddle」や「happy as a pig in clover」という、別の形でも使われていたことがわかっている。「puddle(水たまり)」は「mud」と同様の意味で理解しやすいが、なぜ「clover(クローバー)」の中の豚が幸せなのだろうか?

 これはおそらく、クローバーの栄養価が高く、特に家畜の飼料として価値があるため、クローバーの中にいる豚は、大好きな食べ物に囲まれてとても幸せという連想からだろう。ともかく、これらの表現は、豚が特定の環境下でどれほど満足しているかを描写し、比喩的にその快適さを人間の幸福感に喩えているわけだ。

 この成句は、たとえば以下のように使う。

 ・I'm as happy as a pig in mud just sitting here with my family.  (家族とこうして座っているだけで、泥んこ遊びをしている豚のように幸せだ)

■Hard Row to Hoe

 「hard row to hoe」は、対処が難しい状況を意味することわざだ。

 「row」とは「列」のことだが、ここでは植えられた作物の列、「畝」を指す。また、「hoe」とは「鍬」のことだが、ここでは「鍬を入れる」「鍬で耕す」といった動詞の意味で使われている。つまり直訳すれば、「鍬を入れるのが難しい畝」という意味だ。

 このことわざは、音の類似性からしばしば「hard road to hoe」という形で使われることもある。しかし、そもそも鍬で道路は掘れないように、これは明らかな誤用だ。

 ただ記録によると、アメリカ合衆国8代目大統領のマーティン・ヴァン・ビューレンの時代(1840年ごろ)には、この誤った形ですでに印刷物にも登場していたことがわかっている。それ以来、200年近くも誤った形で使用され続けていることになる。

 使用例は以下の通り。

 ・We've really got a hard row to hoe if we want to get this project done on time.  (このプロジェクトを期限内に仕上げるには、かなり困難な道のりが待っている)

 ・This test is definitely a hard row to hoe, but I’m determined to pass.  (このテストは間違いなく非常に難しいものだが、何としても合格するつもりだ)

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