紫金山・アトラス彗星、2024年秋に金星並みの明るさで観測できる可能性
財経新聞 / 2024年5月31日 16時20分
日本で誰もが肉眼で見られる彗星は、2000年代に入り出現していない。1996年3月25日に地球に最接近した百武彗星は0等級にまで明るくなり、その雄姿は肉眼ではっきりと確認できた。翌年の1997年4月1日に近日点を通過したヘール・ボップ彗星は、-1等級と百武彗星以上に明るくなった。
それ以降2007年にはマックノート彗星が-5.5等級、2012年にはラブジョイ彗星が-3等級、2020年にはネオワイズ彗星が0等級にまで明るくなったが、日本では誰もが見られる彗星とはならなかった。だが今秋、「紫金山・アトラス彗星」が-5等級にまで明るくなるかもしれないと予想され、久々に肉眼で見られるものになりそうだ。
彗星が肉眼で見られるための条件は、明るいこと、大きいこと、太陽光に邪魔されないことなどが挙げられるが、この3条件がすべて整わないと誰もが見られる彗星とはならない。
特に3番目の太陽光に邪魔されないことは非常に重要で、日の出直前あるいは日没直後の空では、金星並み(-4等星級)に明るくないと肉眼で見ることは困難だ。その理由は空の背景の明るさに彗星が埋没してしまうためだ。
百武彗星やヘールボップ彗星が、日本で多くの人が0等級あるいは-1等級でも肉眼で見ることができたのは、空が十分に暗くなった時間帯に見ることができたためだ。
2023年初めに発見された「紫金山・アトラス彗星」は、日本でも肉眼で多くの人が見ることができる久々の彗星になるかもしれない。というのも、最も地球に接近する2024年10月12日には、地平線よりも比較的高い位置で見られるためだ。
これはこの彗星が空が十分に暗い場所に位置し、たとえ最大光度が0等級程度にしかならなかったとしても、肉眼で見られる可能性があることを意味する。
彗星の明るさは核の大きさで決まるとされる。ヘール・ボップ彗星は核の大きさが60km、ハレー彗星は15kmあったとされる。「紫金山・アトラス彗星」の核の大きさは現時点で不明確だが、6~15km程度との推定があり、肉眼で見える存在になるかどうかは不確定要素も多い。
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