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5月の倒産件数は1009件、11年ぶりの高水準 貨物運送業の倒産も急増

財経新聞 / 2024年6月11日 9時53分

 東京商工リサーチが2024年5月の「全国企業倒産」状況を発表し、倒産件数が急増していることが分かった。

■年内の企業倒産件数が1万件超えの見通し

 10日、東京商工リサーチが2024年5月の「全国企業倒産」を発表した。全国企業倒産(負債額1,000万円以上)件数は前年同月比42.9%増の1,009件となり、26カ月連続で前年同月を上回った。

 1カ月の倒産件数が1,000件を超えたのは2013年7月(1,025件)以来、約11年ぶりのこと。1月~5月の累計倒産件数は4,111件で、前年同期と比べて25.6%増。2013年(年間倒産件数:10,855件)以来となる年間1万件超えのハイペースとなっている。

 倒産件数の増加は、コロナ関連の救済措置が終了するとともに、材料費や燃料費、光熱費、人件費等の上昇が要因となっている。業績回復が遅れている企業だけでなく、仕事を受注できても資金や人材の確保が困難な「黒字倒産」もあるという。

 5月の負債総額は前年同月比50.9%減の1,367億6,900万円となり、3カ月連続で前年同月を下回った。主な大型倒産には、不動産業などのインテックス(84億4,500万円)、児童支援施設などを運営するコペル(68億8,300万円)、和装小売などの平河(33億7,800万円)、魚介卸売のA-ONE(33億800万円)、日焼けサロンなどを運営するサンライズジャパン(30億円)がある。

■産業別倒産件数は10産業とも前年上回る

 産業別の倒産件数は、全10産業で前年同月を上回った。これは2023年10月以来、7カ月ぶりのこと。

 倒産件数が最も多かった産業は、サービス業他の327件(前年同月比:30.27%増、以下同じ)で、1カ月の倒産件数が300件を超えるのは初めて。次いで建設業が193件(46.21%増)、卸売業が132件(37.50%増)、製造業が111件(60.86%増)、小売業が106件(45.20%増)で、ここまでが倒産件数100件超え。

 以下は運輸業が54件(2倍)、不動産業が35件(75.00%増)、情報通信業が28件(7.69%増)、農・林・漁・鉱業が17件(約2.4倍)、金融・保険業が6件(20.00%増)で、小売業と情報通信業を除く8産業で今年最多の倒産件数だった。

 地区別でも全9地区で前年同月を上回っており、これは2023年8月以来のこと。都道府県別で最も倒産件数が多かったのは東京都の191件。次いで大阪府の142件、愛知県の65件、兵庫県の48件、福岡県の47件、埼玉県と神奈川県が各40件。

 反対に最も倒産件数が少なかったのは、山梨県と香川県で各1件。次いで鳥取県が2件、佐賀県が3件、秋田県、高知県、沖縄県が各4件となっている。

■道路貨物運送業の倒産件数は過去20年間で最多に

 また5月の「道路貨物運送業」の倒産件数は46件で、前年同月の2倍以上となった。これは2008年5月の45件を上回り、5月としては過去20年で最も多い倒産件数だった。

 1月~5月の累計倒産件数は162件で、前年同期比55.7%増。こちらは過去20年間では2006年と並んで4番目の多さだった。また負債総額は64億5,500万円で、前年同月と比べ約3.6倍となった。

 倒産した企業の46件中、資本金1,000万円未満の企業が29件、従業員数が10人未満の企業が31件であり、小規模企業や零細企業の倒産が大半を占めている。

 倒産件数が増えた要因としては、燃料費や人件費が高騰する一方、中小の運送業では輸送費への価格転嫁が難しいことがある。さらに4月と5月に倒産件数が急増した要因の1つとして、4月から始まった時間外労働の上限規制(原則として月45時間、年360時間、特別な事情があった場合は上限は年960時間以内)の適用もあるという。

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