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ワッツの上方修正が教える、100円ショップの転換期

財経新聞 / 2024年6月14日 9時13分

 ワッツ(東証スタンダード)。100円ショップ業界5位。ワッツを覗いて見ようと思ったキッカケは、今2024年8月期を3月28日に上方修正したのが契機だった。

 期初計画の「売上高591億円を602億円に、営業利益5億円を10億5000万円」とした。目を奪われたのは営業利益が期初予想:20%弱の減益から、一転69%の大幅増益となっていた点だった。

 100円ショップについては「転換期」が指摘されていた。拍車をかけたのは円安の進行。100円ショップの商品は100%海外で生産される。それなのに、何故・・・。ワッツは上方修正の理由をこう説明した。「仕入れ原価の高騰は継続しているが、雑貨の売上高構成比や100円以外の商品の売上高比率の上昇を図る施策により売上総利益率の向上により・・・」。

 今期の月次ベースの売上高推移は前記に比べ上昇している。上半期が前年比102.7%増、下期入り後も105%/102.9%強。最初この推移を目にした際は、「仕入れ価格の上昇を販売価格に転嫁した結果か」と見た。が「競争激化の過熱化が指摘される中で、業界5位の業者がそんな施策を執れるのか」と首を捻った。

 その答えに辿り着く入り口は、意外に容易だった。複数の市場調査会社の「100円ショップの市場動向」は概ね、こう一致していた。

 「100円ショップは薄利多売で成長してきた。が集客力を高めるためにファッション性の高いPB商品の開発が盛んになっている。商品製造の主体の中国や東南アジアの賃金上昇や原材料価格の高騰で、100円均一では利益を伸ばしにくくなっている」

 ではワッツの「超100円」戦略は、具体的にどんな状況か。日本ベル投資研究所は4月24日付けで『~ワッツブランドを軸に、次なる事業高度化~』の見出しで、こんなレポートを発信している。

 「24年8月期第2Qは、計画を上回って好調な回復をみせた。既存店のプラス/高額商品のウエイトアップ/円安対応の品揃え/ロードサイド店の雑貨の充実などが粗利益率の好転に寄与している。・・・高額商品の売上比率は2Qで約19%まで上がってきたが今期中に20%を超えてこよう・・・」

 本稿作成中の時価は700円台入り口、予想税引き後配当利回り1.8%水準。昨年11月に500円水準まで売られ、3月29日768円まで回復。押し目を入れながらも年初来高値水準。PBR0.73倍が意識される状況と見るが・・・

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