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東レとNEC、生成AIとPLMソフトの連携で設計高度化へ 実証を開始

財経新聞 / 2024年6月15日 17時30分

技術情報問い合わせ画面のイメージ(画像:東レエンジニアリングの発表資料より)

 東レエンジニアリングとNECは13日、NECのPLMソフトウェア「Obbligato(オブリガート)」と生成AIを連携させ、設計業務の高度化を目指す実証を始めると発表した。生成AIで技術情報の活用を効率化し、知見・ノウハウが必要な設計業務の上流工程を最適化して、技能伝承を促す。実証は2024年8月から開始を予定している。

 Obbligatoは、企画から開発設計、生産、保守までの製品のライフサイクルを統合管理するソフトウェアで、NECが1991年より展開している。製品情報を一元管理でき、図面や仕様書、部品表、製造工程情報などの技術情報の集約・連携が可能だ。導入企業は、組立製造業を中心に1,000社以上。市場調査会社のテクノ・システム・リサーチによると、PLMソフトウェアでは、国内シェア1位という(23年8月時点)。

 今回の実証では、東レエンジニアリングが利用中のObbligatoとLLM(大規模言語モデル)を連携させ、2つの実証を行う予定。1つはドキュメント要約で、Obbligato内の特定ドキュメントを選択すると、そこに登録されている複数ファイルの内容をLLMがまとめて表示するというもの。ファイルを開かずに概要を把握できる。

 もう1つは、技術情報関連の質問に対し、LLMがObbligato内の蓄積情報をもとにチャット形式で回答する、問い合わせ対応だ。回答の元情報も参考リンクとして表示する。なお、NECは独自のLLM「cotomi(コトミ)」を開発しているが、今回の実証で用いるLLMの種類は明示していない。

 実証の先に目指しているのは、製造業の人手不足や専門技能を持つ技術者の高齢化といった、ものづくり現場の課題解消だ。設計の上流工程では、過去の製品開発で生み出したアイデアや経験を積んだ技術者のノウハウが欠かせない。実証を通じて、そうした技能・ノウハウ伝承に資する仕組み構築を目指す。

 東レエンジニアリングは、プラントエンジニアリングのほか、半導体製造・検査装置などの事業を手がけている。今回の実証でも、各分野の設計業務で、効率化や精度・速度向上の効果を検証する。

 東レグループは、2023-25年度の中期経営課題より、半導体製造・検査装置を含む「デジタルイノベーション事業」を成長領域として追加。また、製造現場の生産効率化や品質向上などに向けた、200億円のデジタル関連投資を見込んでいる。

 一方NECは、本実証を共創型の価値創造モデル「BluStellar(ブルーステラ)」のもとで行う取り組みと位置付けている。実証を踏まえ、今後はObbligatoでのLLM活用を拡大する方針で、2025年春には新バージョンの提供開始を予定している。

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