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メキシコペソの急落に見る政治リスク

財経新聞 / 2024年6月14日 16時40分

●メキシコ大統領選の結果を受けて急落

 メキシコ大統領選挙でシェインバウム氏が圧勝したことを受けて3日、メキシコペソが対ドルで約4%下落。対円でも8%下落する場面があった。

 左派・与党のシェインバウム氏の大統領就任に加え、政権与党も大勝したことで、憲法改正が現実味を帯びてきたことも警戒されてのことだった。

 同時期にインドでもモディ首相が再選されたが、与党は大きく議席を減らす結果となり、インド株が急落する場面があった。

 英国でも7月に総選挙、米国も11月に大統領選挙、日本でも衆院選の可能性があるなど、政権選択選挙の多い2024年だが、メキシコのようなことが世界各国で起きる可能性がある。

●メキシコペソと新政権のリスク

 メキシコは中南米ではブラジルに次ぐ経済規模の国であり、銀などの鉱物資源だけでなく、メキシコ湾では石油や天然資源も採掘される資源大国である。

 メキシコの通貨ペソはオーストラリアドルなどと同様、資源価格に影響されやすい資源国通貨である。

 米国との関係が深く、製造業も盛んで、輸出の8割は米国向けであり、米国と貿易協定を結んでいる。

 ロペスオブラドール現大統領は、司法と社会制度改革のため、憲法改正に取り組んできた。

 重大犯罪への厳しい取り締まりや、政党助成金の減額と民間資金調達を認めることなどが盛り込まれており、国民の賛否が分かれている。

 財政面では年金制度改革や、国営企業優遇が残る内容であり、財政赤字拡大の懸念からも、警戒されている。

 メキシコ史上初の女性大統領となるシェインバウム氏は、現政権の後継者として指名されていた。

●世界各国で起こり得る政治リスク

 シェインバウム氏の大統領就任は10月となる。しかし、それまでの現政権と新大統領の発言次第で、メキシコペソも株も大きく動く可能性がある。

 11月の米国大統領選ではバイデン氏、トランプ氏どちらが勝利しても、メキシコ側に移民問題で何らかの負担を求めると見られている。

 欧州各国でも右派と左派の対立が見られ、選挙の結果次第で市場に大きな影響を及ぼす。

 国内問題だけでなく、外交関係にも大きく関係し、2024年後半は株式市場も世界の選挙結果に影響されやすくなるだろう。

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