札幌市の大通西4南再開発、大規模複合施設を建設へ 本組合設立の認可申請
財経新聞 / 2024年6月23日 15時47分
札幌市の行政・商業の中心地、大通地区の西4南地区第一種市街地再開発事業(中央区大通西)で、地権者らが再開発組合の認可を秋元克広札幌市長に申請した。事業協力者を務める平和不動産が明らかにしたもので、国際水準の高級ホテルや商業施設、オフィスなどで構成する複合施設の整備を目指す。
再開発の計画場所は大通公園や札幌駅前通に面し、札幌市営地下鉄南北線の大通駅至近の約5,000平方メートル。準備組合が地下3階、地上36階建て、高さ185メートル、延べ約10万平方メートルの複合施設を計画している。
環境負荷の軽減と災害に配慮した機能に留意しながら、大通地区のにぎわいと国際競争力を高められる施設を目指す。現在の構想では、低層階に商業施設、滞留拠点となるアトリウムテラス、中層階にオフィス、高層階に国際水準の高級ホテルを入れる。
大通駅のホーム階に地下で接続するほか、大通公園の魅力向上に資するよう地下広場を拡充。地上と地下の歩行環境を改善する。環境面では、大通地区以南への拡大も視野に入れた地域冷暖房システムを導入。災害対策では、帰宅困難者受け入れ施設と備蓄倉庫などの整備を考えている。
地権者らは北海道新幹線の札幌延伸を見据え、2021年に地区再開発協議会、2022年に準備組合を設立し、計画を練っていた。北海道新幹線の札幌延伸はトンネル掘削工事の遅れなどから、目標としていた2030年度末の実現が困難になっているが、昨今のインバウンド観光ブームで訪日外国人観光客が回復していることを視野に入れ、本組合移行を目指している。
認可が下りれば、2024年度中に権利変換計画の認可を受けたうえで、2028年度の完成、使用開始を目標に工事を進めたい考えだ。
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