百貨店とSCの5月売上は引き続き好調、気温上昇で夏物商材伸びる
財経新聞 / 2024年6月26日 9時46分
日本百貨店協会と日本ショッピングセンター協会が5月度の売上高を発表。インバウンドの好調が続いたことに加えて、気温上昇で夏物商材が活況だったことで、どちらも売上が好調に推移したことが分かった。
■百貨店は気温上昇で夏物商材が好調
24日、日本百貨店協会が5月度の全国百貨店売上高概況を発表した。売上高は前年同月比(店舗数調整後)14.4%増の4,692億9,552万9,000円となり、27カ月続で前年同月を上回った。前年同月比が2桁割合の増加となったのは、2月(前年同月比:14.0%増)以来の3カ月ぶり。新型コロナ前の2019年比も8.9%増となり、引き続きコロナ前を超えている。
インバウンド需要に加えてラグジュアリーブランドなど高付加価値商材が引き続き好調だった。さらに気温上昇で夏物商品や季節商材も活況。イベントでは、ゴールデンウイークのファミリー向け企画や、母の日商戦も積極的な展開が功を奏したという。
■京都、大阪、福岡で好調続く
大都市では10都市中9都市で前年同月を上回った。その中では札幌(前年同月比:10.1%増、以下同じ)、東京(17.3%増)、京都(24.4%増)、大阪(31.5%増)、神戸(16.0%増)、福岡(27.3%増)で2桁割合の増加。反対に広島(2.6%減)のみ前年同月を下回った。地区別では7地区中6地区で前年同月を下回っている。特に東北(5.0%減)、中国(3.2%減)でマイナス幅が大きめ。唯一前年同月を上回った地区は関東(0.4%増)だった。
商品別売上高では婦人服・洋品(17.5%増)、身の回り品(35.9%増)、化粧品(16.4%増)、美術・宝飾・貴金属(36.7%増)で大きく伸びた。反対にその他衣料品(2.2%減)、生鮮食品(4.0%減)、総菜(2.4%減)、その他食料品(2.2%減)などで前年同月を下回っている。
■ショッピングセンターは飲食が好調
25日、日本ショッピングセンター協会が5月度のSC販売統計調査報告を発表した。売上高は前年同月比3.9%増の6,004億2,156万円となり、百貨店同様に27カ月連続で前年同月を上回った。気温上昇により夏物商材が動き、ファッションでは半そで衣料やサンダル、雑貨や化粧品では紫外線対策グッズなどが好調。飲食はインバウンド客を含めて旅行客の増加で好調だった。反対に話題作に欠けたシネマが売上で大幅減少になったという。
■東京区部と大阪市が前年同月比好調
売上のうち、テナントが前年同月比4.1%増の4,712億3,650万円、キーテナントが同3.1%増の1,291億8,506万円となり、どちらも全体同様に27カ月連続で前年同月を上回った。大都市は14都市中12都市で前年同月を上回っており、東京区部(前年同月比:12.6%増、以下同じ)、大阪市(10.5%増)で2桁割合の増加。前年同月を下回ったのは、仙台市(0.6%減)、さいたま市(0.3%減)の2都市。
その他の地域では関東(1.4%増)、中部(2.5%増)、北陸(0.7%増)、近畿(1.1%増)、九州・沖縄(1.7%増)の5地域で前年同月を上回った。反対に、北海道(1.0%減)、東北(2.5%減)、中国(0.8%減)、四国(4.5%減)の4地域で前年同月を下回り、明暗が分かれた。
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