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即席麺:東洋水産の稼ぎ頭は、米・メキシコ中心の海外製麵事業

財経新聞 / 2024年7月7日 16時14分

 メキシコ帰りの若手記者から、「マルちゃん(東洋水産)の即席麺を食べてきた。日本で食べるのと、一味違った風味を感じた」と聞かされた。「知らぬは一生の恥。聞くのは一時の恥」と思ったが、聞くのはしゃく。東洋水産を調べてみることにした。

 収益は順調な状況。2023年3月期は「20.6%増収、37.3%経常増益、47.8%最終増益、10円増配100円配」。24年3月期は「12.2%増収、71.3%経常増益、68.0%最終増益、70円増配170円配」。

 そして今3月期の期初計画は「4.3%の増収(5100億円)、4.2%の経常増益(780億円)、6.0%の最終増益(590億円、連続最高益更新)、170円配」とそろりと立ち上がったが、初めて覗き込んだ企業ゆえに10年前の収益を遡ってチェックした。2015年3月期は「3830億円、295億円、185億円」。着実な10年余を確認した。

 さてメキシコのマルちゃん即席麺だが、前期の決算資料で確認しようとしたが・・・その前に円形の売上高比率グラフが目にとまった。それによると総売上高に占めるNO1事業は海外即席麺事業で45.3%、第2位が国内即席麺事業で20.5%。決算資料で確認した。以下の様な次第だった。

 [水産食品事業]: 295億6200万円(3.6%増収)、4億円(769.0%増益)。

 [海外即席麺事業]: 「メキシコ市場での好調」に加え米国・メキシコでの価格改定効果で2212億2900万円(24.0%増収)、人件費上昇も売り上げ増加・原材料費減でセグメント利益463億1800万円(77.4%増益)。

 [国内即席麺事業]: 売上高1000億9300万円(2.5%増収)、97億300万円(44.7%増)。

 [低温食品事業]: 主力商品「マルちゃん焼きそば3人前」。568億7800万円(7.6%増収)、74億3000万円(46.8%増益)。

 [加工食品事業]: 魚肉ハム・ソーセージetc。売上高201億5500万円(0.9%減収)、7億4200万円(499.1%増益)。

 海外即席麺が頭抜けた存在であることは、疑う余地なし。

 東洋水産の海外進出は1972年の米国現法の設立に始まる。米国内に4カ所の製造拠点を整備。世界ラーメン協会によると2022年1年間の米国の年間需要は51億5000万食。メキシコで15億1000万食。東洋水産の市場シェアは米国約65%、メキシコで約80%。ほぼ独占状態にある。

 本稿作成中の時価は9000円台半ば。予想税引き後配当利回り1.4%水準。5月に1万1800円まで買われた調整場面。過去9年半余の修正済み株価パフォーマンスは2.6倍。「マルちゃん」ファンなら株主優待策(単位株:2000円相当の自社製品詰め合わせ)に照準を合わせて中長期投資も一法か。

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