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月は地球よりどれほど早く時間が進む? NASAがより精密に計測

財経新聞 / 2024年7月12日 10時21分

 時間の進み方は場所によって異なる。この現象をウラシマ効果と呼ぶが、ウラシマ効果は通常は無視できるほど小さく、実生活でこれを体験できる場面は皆無だろう。時間は移動速度が速ければ速いほど、重力が強ければ強いほど遅く進む。光速では時間は停止し、重力が無限大となるブラックホール内部でも時間は停止するが、これは非常に極端な例だ。

 地球と月では重力の大きさが異なるため、理論上は月にいるほうが地球よりも時間は速く進む。NASAジェット推進研究所は、地球での1日、つまり24時間が経過する間に、月ではどのくらいの時間が経過するのか試算し、その結果を公開した。研究結果は、論文サイトarxiv上で公開されている。

 研究によれば、月の時間は地球よりも1日あたり0.000575秒(約1万分の6秒)速く進む。月の重力は地球の約6分の1とかなり小さいが、それによる時間の進み方の違いがこれしかないのだから、ウラシマ効果を体感できる人間はいないと言ってもよいだろう。

 だが月面におけるミッションをより厳密に精度良く遂行していくためには、地球と月での時間の進み方の差を正しく把握しておく必要がある。この時間の進み方の違いをもう少し分かりやすく表現すると、月では274年間で5.76秒だけ地球よりも速く時間が進む計算になるという。

 今回明らかにされた月におけるウラシマ効果の量は、地上と月面基地での音声通信にほとんど影響を及ぼすことはなく、むしろ電波の進む速度による交信のタイムラグのほうがけた違いに大きい。つまり地球と月で電波通信を行う場合、電波は往復で2.6秒を要するため、自分の音声と相手の音声のやり取りの間に必ず2.6秒のタイムラグ(無音時間)が生じる。この値は、月における1日当たりのウラシマ効果(約1万分の6秒)の4000倍以上にもなるのだ。

 ウラシマ効果を体感するためには、UFOに乗るのが手っ取り早いかもしれない。UFOといえども光速にまで加速する時間が必要なので、加速する間は時間が経過するが、いったん光速に到達すれば時間は止まる。だが時間が止まったら、物事を体感できない。ウラシマ効果を体感するのはUFOでも非常に厄介なことなのかもしれない。

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