地球から48光年の太陽系外惑星に海がある可能性 モントリオール大らの研究
財経新聞 / 2024年7月18日 16時37分
これまでに5000個以上の太陽系外惑星が発見されているが、2023年末にNASAが公表した情報によれば、これらのうちで海がある可能性がある惑星は17個しかない。
この17個の惑星のうち、地球に比較的近いのは、地球から4.2光年の距離にあるプロキシマケンタウリbと、48光年の距離にあるLHS1140bだ。この2つは生命誕生の可能性があり、現在世界中の科学者らによって詳細に調査研究が進められている。
地球に存在する水の質量は、地球質量のわずか0.02%に過ぎないが、モントリオール大学は、LHS1140bでは惑星質量の10~20%を占める水が存在する可能性があるとの研究結果を発表した。
LHS1140bは、2017年に発見され、当初は海王星に似た巨大ガス惑星と考えられてきたが、ジェイムズ・ウェッブ望遠鏡の観測により、直径は地球の1.7倍、質量は5.6倍の岩石惑星であることが確かめられている。
またこの惑星を通過する主星からの光の分析で、水素やヘリウムの兆候が見られないことから、ガス惑星である可能性が否定された。地球と比べて、やや大きな密度であることから、地球よりも水をたくさんたたえた惑星であるとの判断が下されている。
LHS1140bが周回する主星は、太陽質量の5分の1の質量をもつ赤色矮星で、LHS1140bの表面温度は地球や火星に近いと考えられている。この点は、プロキシマケンタウリbと状況が似ている。大量の水は氷として存在する可能性が高いが、一部は液体の水として海を形成している可能性が高いのではないかと、科学者らは期待する。
これらの情報の確実性を高めていくためには、より多くの調査を重ねデータを精査していく必要があり、大気の存在を証明するためにあと1年、二酸化炭素の検出には、あと2~3年が必要という。
ところでLHS1140bまでの48光年という距離は、宇宙的スケールから見れば地球に極めて近い。だがこれまでに人類が到達した最も遠い場所は、アポロ13号が事故で月の裏側を周回した際の約40万kmであることを考えると、人類が到達するには、絶望的な遠さであると言わざるを得ない。
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