今期予想含み14期連続増配の住友電設、長期パフォーマンスも好調 素直に受け止めるべきか
財経新聞 / 2024年7月17日 9時54分
住友電設(東証プライム)。住友電工系(保有株比率50%)のビル・工場の内線工事が主力。電力や情報通信や、ブランド・空調工事も手掛ける。目を惹かれるのはなんと言っても、前3月期まで13年間に亘っての連続増配。今期も「増配」計画。
投資対象の銘柄を俎上に載せる際、「長期間連続増配」ランキングは1つの叩き台になる。が私は「論拠」は希薄だがその種のランキング表を作る際、名だたる企業が筆頭株主となっている銘柄はランキング表から外す。表現は適当でないかもしれないが「上納金」の感が拭えないからだ。
住友電設は2021年3月期、コロナ禍の影響に晒され「10.9%の減収、16.7%の営業減益」となりながらも「4円増配、74円配」を実施している。
収益動向自体は、確かにそれなりの推移を見せている。「22年3月期:8.8%増収/14.9%営業増益/86円配」「23年3月期:4.5%増収/3.5%営業増益/94円配」「前3月期5.9%増収/6.8%営業減益/106円配」「今期計画:7.8%増収(2000億円)/15.6%営業増益(145億円)、114円配」。前期の営業減益に関しては「受注高19.6%増、売上高6.9%増に伴う経費増」と説明している。
そして今期を最終年度とする5カ年中計も「成長投資5カ年で200億円/ROE10%ターゲット/自己資本比率50%水準維持」を前提に、「売上高2000億円/経常利益150億円」を掲げており今期計画にドンピシャリと当て嵌まる状態。
ただ数少ない住友電設の担当アナリストの間からは、こんな見方が聞かれる。「前期のEPSは7.2%成長。が今後3年間は1年当たり0.8%成長止まり。低い伸びと見ておかざるを得ない」。
さて、そんな住友電設株とどう向き合うべきか。本稿作成中の時価は4100円台入り口、予想税引き後配当利回り2.2%水準。昨冬の2500円水準から上向きに転じ7月12日の4160円(年初来高値)をつけ高値水準。がプライム市場の平均PERが15倍台とされる中で、15倍割れには割安感と言うかいま1つ評価を受けていないという思いを感じる。
一方で、こんな事実もある。調整済み株価パフォーマンスは過去9年半余で2.49倍。住友電工は1.67倍。「上納金」なる穿った捉え方などせずに、好配当利回りを享受しつつ中長期構えでキャピタルゲインを得るべし・・・ということなのか。正直、迷わされる。
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