中計で「DOE3%以上、累進配当」を打ち出した東鉄工業 バフェット氏は食指を動かすか!?
財経新聞 / 2024年7月23日 9時47分
暫く前、世界屈指の投資家:ウォーレン・バフェット氏が「日本の商社株買い」を宣言し話題となった。多面的な要因からの投資であったのだろうが、「累進配当」も大きなポイントだったであろう事は容易に想像される。「配当は、増配ないしは据え置き、減配はしない」。
冒頭にバフェット氏を持ち出したのは、東鉄工業(東証プライム)を覗き見たからである。 四季報の【特色欄】は東鉄工業を、「線路の維持補修など鉄道工事に強いゼネコン。JR東関連が大半。DOE3%以上で累進配当導入へ」としている。
改めるまでもないが従来、株主に対する配当の尺度としては「配当性向の多寡」が中心だった。が配当性向の算出には最終利益が使われる。最終利益は諸々の要因が絡む事から、徐々に「尺度」の座を失う傾向を強めている。
代わってその座に座り始めているのが、ROE(配当金総額÷株主資本)。全業種の中央値(目安)として、2.2%が標榜されている。その値を3%以上に掲げ「累進配当を」・・・と言うのは確かに、投資対象を選別する場合の有効策と言えよう。
東鉄工業は1943年(昭和18年)に鉄道省(当時)の要請で、鉄道の保持・強化を目的に「東京鐡道工業」として設立された。「人命を預かる重要な鉄道インフラを長年にわたり支え、信頼を築いてきた」(前川忠生社長)。そして今は「鉄道」「土木」「建築」「環境」分野の事業展開を進めている。
公共事業との関りが深い分、経済状況の影響を受けやすい。2021年3月期はコロナ禍の影響を受け「9.0%減収、6.3%営業減益」となり、8円減配の85円配。累進配当が急停止。22年3月期も環境悪が継続したが、85円配を継続。「累進配」なる施策、容易ではないと言える。
但し23年3月期以降は「24.9%営業増益/7円増配92円配」「29.5%営業増益/5円増配97円配」。そして今期計画も「3.6%増収(1470億円)、6.4%営業増益(125億円)、3円増配100円配」計画。
至29年3月期の中計を「創業100周年に向けたジャンプ期」と位置づけ「売上高1700億円以上、ROE8%以上」を掲げ、「DOE3%以上、累進配当導入」と記している。
本稿作成中の時価は3300円水準、予想税引き後配当利回り2.4%強。予想PER12.5倍強といささか割安感を覚える。過去9年半余の修正済み株価パフォーマンスは、約2倍。累進配当を正式に打ち出したのを材料に、中長期構えで臨むのも一法か・・・
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