カジノでゲームに興じる貴方、日本金銭機械の機器は使用した?
財経新聞 / 2024年7月30日 20時9分
日本金銭機械(東証プライム)。紙幣識鑑別機や硬貨計算機などの、貨幣処理機の大手。欧米市場が主力。米国カジノ向けはシェア大。
四季報のパラパラ読みで日本金銭機械に出会った時、まず我が身の浅学菲才を恥じた。頭にまず浮かんだのは「新紙幣関連の有力銘柄の一角」だったのだ。兜町筋に問い合わせた。「無縁ではないよ。だが主力関連企業を兜町(しま)ではグローリー、高見沢サイバネティクス、オプトエレクトロニクスと踏んでいる。カジノに代表される欧米のゲーミング関連紙幣処理だよ」。
改めて、日本金銭機械(JCM)の歴史を遡ってみた。
1955年(昭和30年)1月、上東保氏により設立された。成長階段を昇り始めた(存在感を示し始めた)最初のステップは、1981年(同56年)。時まさに自動販売機が普及をし始めたタイミングだった。円の紙幣鑑別機の製造・販売を開始している。
そして第2ステップは、1986年(同61年)。偽造紙幣が世界的な規模で出回っていた。既に世界の通貨になっていた米ドル札に着目した。米ドル紙幣の鑑別機の製造・販売を開始。
そして現在の日本金銭機械の主力となる流れを産み落としたのが、1990年(平成2年)。米国のゲーミング市場で初めてとなる「紙幣判別ユニット」を搭載した、紙幣判別機を開発し製造・販売に乗り出したのである。
目下、JCM製の紙貨幣関連機器は世界140を超える国・地域に普及している。技術的な粋はホームページに詳細に記されているので詳細は譲るが、例えば<メカトロニクス技術>: 鑑別・識別のソフトウェアの変更だけで世界各国の様々な大きさ、素材や状態の貨幣に対応。正確に搬送・分離・集積に対応が可能。
前3月期の収益は「25.1%増収、181.5%経常増益、4.3%の最終増益、16円増配26円配」。今後についても強気の姿勢を崩していない。至26年3月期の中計では「売上高385億円(24年3月期比34.6%増)、営業利益30億8000万円(2.05倍)、純益25億円(2.27倍)」を掲げている。
稼ぎ頭のグローバルゲーミング(前期の総売上高の55%/セグメント利益の98%強)では、「カジノ向け省力化システム製品の拡販で臨む」としている。
ちなみに日本金銭機械が展開する領域には医療機関向けの、「薄型設計の現金/キャッシュレス対応の精算機」などもある。
本稿作成中の時価は1000円トビ台、予想税引き後配当利回り2.2%。ToSTNeT―3方式の自己株売却を引き金に1726円(2月)まで買われ7月の1020円まで利食い売りに押された後の横這い場面。好配当利回り取りを背に、じっくり構えるべきか・・・
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