「名古屋めし」を思い返さす、JBイレブンの経営の味は
財経新聞 / 2024年8月23日 9時51分
いささか「歯」が不甲斐なくなったため、最近ではいわゆる「名古屋めし」と疎遠だが若かりし頃の「美味かったな」という触感はいまでも覚えている。
とりわけ美味かったのは「石焼ひつまぶし」。蒸さずにそのまま焼き上げた鰻のかば焼きを、細かく刻んでご飯にのせて食べるという逸品。名古屋の外食グループが2001年に東京に第1号店を出した際、「みそ串カツ」などと一緒に「名古屋めし」と銘打って広めたとされる。
こんな頭ぶりの原稿を書く気になったのは、四季報のパラパラ読みでJBイレブン(名証メイン)の頁に目がとまったからだった。【増勢】という見出しの割には2021年3月期からの営業損益は「8700万円/1億3100万円/2億8800万円」の損失続き。
それが24年3月期に「1億3200万円」の営業黒字に転じ2.5円の配当開始、今期計画は「1.6%の増収(97億6400万円)、36.5%の営業増益(1億8100万円)、22.0%の最終増益(9900万円)」。確かに上り坂を歩き始めている。
ラーメン店「一刻魁堂」、中華「ロンフーダイニング(麻婆豆腐と炒飯の専門店)」を両輪にFC参加店も含め飲食業を展開している。1971年12月に現社長:新美司氏の母親:新美さよこ氏により、愛知県知多郡でラーメン・お好み焼きを中心とした10坪余りの飲食店が設立されたのが源流。浮き沈みを経ながらもとにかく階段を歩んできたことは、過去10年近くの修正済み株価パフォーマンス60%が示している。
それは3期営業減益を挟んで【増勢】と銘打たれる点にも明白。至27年3月期の中計でも、着実増が掲げられている。「売上高:88億9200万円(24年3月期比16.4%増)、経常利益:3億6500万円(57%増)、経常利益率4・5%(1.9P上昇)」。
では前記した営業損失に沈んだ3期間は、どう捉えたらよいのか。浮かび上がった24年3月期の決算資料から、読み取ることができる。
「ラーメン店」: 一刻魁堂の5店舗を改装。中華部門の1店をラーメン店に衣替え。ラーメン店1店を閉店。52店舗(前年度比1店舗減)。
「中華部門」: 1店をラーメン店に変更。新規出店なし。総店舗数17(1店舗減)
営業減益時の決算内容により明確だが、不採算店の閉店・業態転換を徹底して進めている。構造改革、という次第だ。中計もそうした経緯が踏まれた結果となっている。
本稿作成時の時価は700円弱。年初来高値865円(1月)からの安値650円(8月)より整理が進み、小戻し基調。名古屋の「食」は株価も値段も適当か・・・
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