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日銀、金利引上げ後のコメントで株式相場が暴落 自ら政策を縛りかねない結果に! (1)

財経新聞 / 2024年8月25日 15時27分

(c) 123rf

 日本銀行にとって、FRB(米連邦準備制度理事会)が景気の節目節目に、機動的な金利調整(引上げ・引下げ)を行っていることは、堪らなく羨ましいことだった。

 なぜなら、日銀が1999年2月にゼロ金利政策を導入してから、2016年にマイナス金利政策へ移行して以後も通算すると、四半世紀(25年間)に渡って実質ゼロ金利政策を継続していたから、金利政策を検討する際に取り得る政策は金利の引上げしかなかったからだ。

 金利調整機能は上下どちらに振れるか分からないから、牽制効果を持つ。マイナス金利の最中に、更なる金利の引下げとして「マイナス金利の深掘り」があると当時の黒田総裁が強弁した事はあった。ところが、初めてマイナス金利を導入しただけで民間金融機関が日銀に預け入れていた預金に、支払利息が発生することで社会に大きなマイナスのインパクトを与えていた。

 加えて、量的緩和が進みすぎて銀行に運用するあてのない余剰資金が溢れていた頃には、大口の預金を金融機関同士が押し付け合うという珍事が起きた。銀行業がスタートして以来、預金を奪い合うことは当たり前に行われていたが、預金を押し付け合うなどということはあり得ないことだっただったから尚更だ。

 その上更にマイナス金利を深掘りするということは、「一般庶民の預金に対して支払利息を求める」という金利常識の大転換になりかねない。自分の預金に支払利息を払いたくない大口預金者が、銀行に殺到して我先に預金を引き出す。いわゆる「取り付け騒ぎ」につながりかねない危険な政策だ。

 預金の激減で経営が行き詰まる銀行が続出して金融恐慌へと発展し、預金を自宅に持ち帰ってタンス預金にした小金持ちが、軒並み強盗の被害に遭う懸念すら想定できるわけだから、到底現実的な政策ではない。

 市中金利が上にも下にも調整が可能なラインになければ、機動的な金利政策は取れない。底辺に張り付くゼロ金利(マイナス金利も含む)政策が、25年間も継続してきたこと自体が異常なのである。

 結果として日銀は25年間、金利引上げを希求する組織になった。

 そして、堂々と利上げができる日が訪れた。

 7月31日の金融政策決定会合でわずか0.15%ながら利上げを決定したのだ。だが、この程度の利上げはマーケットも織り込み済みだったので、日経平均も買い戻しで反発するという余裕を見せた。

 波乱は、株式市場終了後に行われた恒例の日銀総裁記者会見で起きた。植田日銀総裁は「今後も経済と物価の情勢が見通し通りに推移するなら追加利上げをする方針で、(その上げ幅も)0.5%が壁とは認識していない」と発言したことから、株価は暴落とも表現される値下りを演じてパニックになった。 (続く)

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