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二酸化炭素が眠気を引き起こすことを確認 東北大の研究

財経新聞 / 2024年9月4日 16時51分

 東北大学は3日、室内などにおける二酸化炭素濃度の上昇が、日中の眠気の原因となることを確認したと発表した。

 これまでも室内などにおいて、二酸化炭素濃度の上昇が日中の眠気の原因となるのではないかと言われてきたが、科学的に厳密な因果関係は証明されていなかった。

 今回の研究成果は、二酸化炭素濃度を調節することで、職場や自動車運転中などでは眠気を抑え、逆に自宅などでは眠りやすい環境を整えることに役立つことが期待できるという。

■二酸化炭素濃度と日中の眠気の関係  みなさんは、換気が悪く混みあった屋内や車内で、日中であるにもかかわらず、強い眠気を感じたことはないだろうか?

 このような現象は、室内や車内における二酸化炭素濃度の上昇が原因だとされてきたが、科学的に厳密な因果関係が証明されていたわけでない。

 日中の眠気が主観的な方法で測定されていたり、客観的な指標と考えられていた脳波の変化が、眠気と関係なく二酸化炭素の影響を受けてしまっていたためだ。

■日中の眠気を客観的に測定  そこで研究グループは、二酸化炭素濃度を厳密にコントロールした環境下で、睡眠潜時反復検査を使い、日中の眠気を客観的に測定した。

 睡眠潜時反復検査は、睡眠障害の臨床的な診断で使われる方法で、脳波や呼吸数などの生理反応に基づいて、入眠までの時間を測定する。入眠までの時間が短ければ短いほど眠気が強いことになる。

 その結果、実験の参加者11名について、5000ppmの比較的高濃度の二酸化炭素濃度下において、1日に4回昼寝をしてもらったところ、日中の眠気が有意に強まることが確認された。

 また同時に、主観的な眠気も有意に強まることが確認されたという。

 今回の研究成果から、二酸化濃度を調節することで、職場や自動車運転時には眠気を抑え、集中できる環境をつくり、反面、自宅や宿泊施設、仮眠室などでは、眠気を誘い、よく眠れる環境を整えるために役立つことが期待できるという。

 また研究グループでは、建築物環境衛生管理基準などの法令による二酸化炭素濃度基準について、科学的な根拠を与えるものであるとしている。

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