8月の雇用統計で再び円高・株安か!?
財経新聞 / 2024年9月10日 10時6分
●8月の米雇用統計で株価が下落
9月6日に発表された8月の米国雇用統計は、就業者数の伸びが予想を下回った。これを受け、6日のNYダウは400ドル超値下がりし、週明け9日の日経平均も一時1100円超値下がりした。週間ベースでS&P500もNYダウも2023年以来の下げとなるなど、利下げが意識され、市場が神経質になっていることが窺い知れる。
これまで好調だったエヌビディアなど“マグニフィセント7”の大幅な下げも目立った。
8月には、円相場と日本株も、米国の下げに吊られるように円高・株安が進む場面があったが、今回もその再来となるのだろうか?
●雇用悪化か?ソフトランディングか?
8月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が市場予想16万5000人に対し、14万2000人にとどまった。6、7月の就業者数の増加も下方修正された。失業率は4.2%で5カ月ぶりに改善が見られ、労働者の平均時給も前年比3.8%で予想を上回っている。
9月にFRBが利下げすることは確実視されるが、今回の雇用統計の結果だけで、0.25%の利下げ幅が0.5%になる根拠とはならない。
イエレン米財務長官はブルームバーグ記者との対談で、「赤信号は点滅していない」と金融システムの危機を否定している。インフレを押し下げており、相次ぐ経済指標を「ソフトランディングと呼ぶものだ」と述べている。
●FOMCまでの日程にも注意
9月18日のFOMC(連邦公開市場委員会)が大きなヤマ場になることは間違いない。11日に発表されるCPI(消費者物価指数)や、12日に発表されるPPI(生産者物価指数)、新規失業保険申請件数の結果も注目される。
日本の株式市場から見ると、6日の雇用統計を受けて日経平均先物は1200円超下げ、3万5000円台まで下落した。
9日の日経平均も、終値3万5000円台が警戒されたが、ダウ平均先物が上昇したこととドル=円が円安に進んだことで相殺され、175円安で落ち着いた格好だ。
しかし、CPIやPPIなどが予想を下回るとなれば、再び急激な円高・株安になることは避けられず、米国以上に大きな値動きになることも考えられる。
8月のような急回復を期待してナンピン買いするようなことは控えた方がいい。
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